米国映画業界の賞レースの先陣を切ってニューヨーク映画批評家協会賞が発表となり、アニメーション部門では、ワーナーブラザーズの『ハッピー・フィート』(ジョージ・ミラー監督)が選ばれた。今年の最初の主要な賞レースを踊るペンギンが制したことになる。 NY映画批評家協会の同賞でワーナーブラザーズの作品が、アニメーション賞を取るのは初めてである。同 作品は今年11月に米国の週末興行で3週連続1位を獲得しており、興行的な成功と同時に、専門家からの高い評価を獲得したことになる。 『ハッピー・フィート』は、皇帝ペンギンを主人公にした3DCGアニメーションである。CGで実現された、ペンギン達のダンスシーンで大きな話題を呼んだ。また、プリンスやクイーン、スティービー・ワンダーなどの観客に馴染みのヒット曲を歌うペンギンたちに人気が集中している。 NY映画批評家協会賞は1年の賞レースの先陣を切るもので、その注目度は高い。その後に続くアカデミー賞を初めとする各賞への影響力も強いとされるが、アニメーション賞に関する限りむしろアカデミー賞との違いが際立っている。 NY映画批評家協会がアニメーション賞を設置したのは2000年である。今年で7回目を迎えるが、過去6回でアカデミー賞と受賞作品が重なったのは2002年『千と千尋の神隠し』と2004年『Mr.インクレディブル』の2回だけである。 むしろ2001年の『ウェイキング・ライフ』や2003年『ベルヴィル・ランデブー』、2005年『ハウルの動く城』といったハリウッドの大作映画とは一線を画した作品が選ばれる傾向が強い。それはロサンゼルス・ハリウッドとは異なるニューヨークの独自の価値基準ともいえる。 今後の賞レースは、ピクサーやドリームワークスアニメーションに今回のワーナーブラザーズ、さらにソニーピクチャーズも加えて激化しそうだ。/NY映画批評家協会賞公式サイト /ハッピー・フィート公式サイト
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