文化庁メディア芸術祭大賞に『時をかける少女』など(12/15) | アニメ!アニメ!

文化庁メディア芸術祭大賞に『時をかける少女』など(12/15)

 文化庁メディア芸術祭の平成18年度(第10回)のアニメ、マンガ、エンターテインメント、アート各部門の受賞作品が決定した。このうちアニメーション部門では、細田守監督の『時をかける少女』が大賞に選ばれた。

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 文化庁メディア芸術祭の平成18年度(第10回)のアニメ、マンガ、エンターテインメント、アート各部門の受賞作品が決定した。このうちアニメーション部門では、細田守監督の『時をかける少女』が大賞に選ばれた。

 『時をかける少女』はこれまでに、シッチェス・カタロニア国際映画祭アニメーション部門最優秀作品賞やアニメーション神戸作品賞、報知映画賞特別賞などを受賞している。今回はさらに受賞歴を増やしたことになる。
 同作品は興行成績だけをとれば、今年公開された多くの劇場アニメーションに及ばない。しかし、こうした受賞歴や劇場アニメでは異例のロングラン興行は、作品が2006年を代表するものであったことを印象づける。
 メディア芸術大賞アニメーション部門の他の優秀賞4作品は、全てアート性の強い短編アニメーションとなっている。『時をかける少女』は、今回アニメーション部門で受賞した唯一のエンターテインメントアニメーションでもある。

 優秀賞のなかのアート作品では、『ピカピカ』(モンノカヅエ+ナガタタケシ)が注目される。同作品は今年のオタワ国際アニメーションフェスティバルで実験アニメーション部門で受賞をしている。アートとしてのアニメーションの可能性を感じさせるものである。
 ほかの優秀賞にはロシア作品の『春のめざめ』(アレクサンドル・ペトロフ)、『おはなしの花』(久保亜美香/井上精太)、『スキマの国ポルタ』(原作:荒井良二/ アニメーション:和田敏克)が選ばれている。

 また、マンガ部門の大賞は、かわぐちかいじ氏の『太陽の黙示録』である。作品は今年秋にはアニメ化され、WOWOWでも開局15周年記念番組として放映されている。タイミングのいい受賞といえるだろう。
 そのほかマンガ部門の優秀賞には、特異な舞台設定で話題を呼んだよしながふみ氏の『大奥』や『百鬼夜行抄』(今市子)、『よつばと!』(あずまきよひこ)、『大阪ハムレット』(森下裕美)など実力派のマンガが並んだ。

 エンターテインメント部門の大賞は日本神話をゲームの題材にとった神谷英樹氏の『大神』、アート部門は木本圭子氏の『イマジナリー・ナンバース2006』であった。
 また、日本のメディア芸術に大きく貢献した人物に与えられる功労賞には、作画監督の大工原章氏が選ばれた。同氏は東映動画で数々の長編アニメーションを手掛け日本アニメの基礎を築いた人物だけに、アニメ関係者にはうれしいニュースといえるだろう。

/文化庁メディアプラザ 
/第10回受賞作品一覧 

《アニメーション部門》
大賞 
時をかける少女  細田守
優秀賞
おはなしの花  久保亜美香 / 井上精太
スキマの国のポルタ  荒井良二(原作) /和田 敏克(アニメーション)
春のめざめ  アレクサンドル・ペトロフ
ピカピカ  モンノカヅエ+ナガタタケシ
奨励賞
La grua y la jirafa (The crane and the giraffe)  Vladimir Bellini

《マンガ部門》
大賞 
太陽の黙示録  かわぐち かいじ
優秀賞
大奥  よしなが ふみ
大阪ハムレット  森下裕美
百鬼夜行抄  今市子
よつばと!  あずま きよひこ
奨励賞
SHI RI TO RI  筑濱 カズコ(構成:筑濱 健一 / 作画:筑濱 和子)

《エンターテインメント部門》
大賞 
大神  神谷 英樹
優秀賞
リズム天国 「リズム天国」開発チーム代表大澤和義
しゃべる!DSお料理ナビ 「しゃべる!DSお料理ナビ」開発チーム代表土山芳紀
CORNELIUS “Fit Song”  辻川幸一郎
日本再発見マップ  「日本再発見マップ」制作チーム代表入道隆行
奨励賞
雨刀  勝本雄一朗

《功労賞》
大工原章 (作画監督)
《animeanime》
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