毎年、過去1年間で最も注目すべき作品を選ぶアニメーション神戸賞の2006年の受賞者と受賞作品が10月18日に発表された。 個人賞にはテレビアニメ『蟲師』で、独特の映像を表現した監督の長濵博史氏が受賞した。『蟲師』は今年春には東京アニメアワードのテレビ部門優秀作品賞も受賞している。 また、特別賞には長年『まんが日本昔話』や『銀河鉄道の夜』、『あらしのよるに』など子供向けの作品を丁寧に制作してきたアニメスタジオグループタックが選ばれた。 さらに、長年『ドラえもん』の主要キャラクターの声を演じ続けてきたベテラン声優の大山のぶ代、小原乃梨子、野村道子、肝付兼太、たてかべ和也の5氏も受賞した。 一方、今年の作品部門の受賞作品は「インターネット」の言葉でその大きな動きを表現できそうだ。劇場部門の受賞作品『時をかける少女』とテレビ部門の受賞作品『涼宮ハルヒの憂鬱』は、ともにインターネットでの口コミが作品の人気とヒットに大きな影響を与えたとされている。 両作品とも当初は必ずしも大型作品、大型プロジェクトではなかったが、結果的にはあらゆる意味で2006年を代表する作品となった。作品の質が高かったのは勿論だが、そうしたファンの評価が急速に広がるなかでインターネットの果たした役割は大きかった。 また、パッケージ部門の『リーンの翼』は監督がベテランの富野由悠季氏だが、作品の最初のリリースがネット配信となり新しいアニメ流通の試みとして話題を呼んだ。 さらに、ネットワーク部門の『やわらか戦車』はライブドアのインターネットサイトのネットアニメから始まった作品である。しかし、これまでインターネット発の作品と較べて格段の大ヒットとなった。大きな話題となるだけでなく、これまでにない大規模な商業展開が行なわれることでも注目を浴びている。 作品賞のいずれの作品もインターネットと強く結びついており、アニメの世界でインターネットの力が急激に勢いを増していることを示しているようである。第11回アニメーション神戸賞個人賞: 長濵博史特別賞: グループ・タック大山のぶ代・小原乃梨子・野村道子・ 肝付兼太・たてかべ和也作品賞・劇場部門: 時をかける少女作品賞・テレビ部門: 涼宮ハルヒの憂鬱作品賞・パッケージ部門: リーンの翼作品賞・ネットワーク部門: やわらか戦車主題歌賞: ハレ晴レユカイ(『涼宮ハルヒの憂鬱』)/第11回アニメーション神戸
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