「デジタルが変えるアニメビジネス」刊行 業界の過去から現在までを一望するバイブル

レビュー

2016年2月24日に、増田弘道氏による『デジタルが変えるアニメビジネス』がNTT出版より上梓された。増田弘道氏は、『アニメビジネスがわかる』(2007)、『もっとアニメビジネスがわかる』(2011)の著者としてアニメビジネス関係者にはお馴染みだろう。いずれも国内では数少ないアニメビジネスの基本を押さえた書籍として読まれている。
『デジタルが変えるアニメビジネス』は、アニメビジネスの全体を見渡した5年ぶりのべーシックな書籍だ。昨今のアニメビジネスの変化の早さから考えれば、少し長過ぎた5年、待望の一冊だ。

全体は7章仕立てで構成、「2016年クライシス」「歴史とデジタル化」「アニメとマンガ」「日本とアメリカ」「3DCGアニメーション」といった切り口で、最新の情報を盛り込んだ。一方で、アニメビジネスの歴史やロングスパンでの動向もフォローする。アニメビジネスに馴染みが薄い人や、前著書を読んでいない人でも、手に取りやすい内容だ。
アニメビジネスを学ぶ人、これから始める人の教科書、そして現在ビジネスに携わる人が状況を確認するなど広く読まれそうだ。アニメビジネのバイブルと言っていいだろう。

そんなフォーマルな外観の一方で、本の中には増田氏らしい、独自のフォーカスや視点も満載だ。例えば、CGアニメーションに対する深い関心だ。制作のデジタル化が、アニメ制作現場、そしてビジネスの現場を大きく変化させているのは、本書のタイトルの通り。
しかし、米国でのCGアニメーションの動向やスタジオの発展史には、増田氏のこの分野への関心が一際高いことを感じさせる。そうした深い部分からデジタルとアニメビジネスの流れを読み解くのが、本書の醍醐味だ。
さらに本書の見どころはたっぷりある、米国のアニメーションスタジオの状況、アニメとマンガの関係も増田氏ならではの部分だ。
アニメビジネスが分からない、アニメビジネスが知りたい人には、まず手に取るべき本だろう。

『デジタルが変えるアニメビジネス』
発売日:2016年2月24日 
定価:2,592円  A5判

《animeanime》

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