2016年2月25日、東京世田谷区の成城大学にて講演会「イスラエルにおける漫画コンテンツの状況と表現の意味」が行われた。第9回国際漫画賞受賞作品『The Divine』の作者のアサフ・ハヌカ氏と原作者のボアズ・ラヴィ氏が受賞に合わせて来日、両氏の出身国であるイスラエルのマンガカルチャーについて語った。国際漫画賞は、外務省が海外にて漫画文化の普及に貢献した作家に贈るものだ。世界の漫画文化 の発展と貢献を目指している。第9回tなった今回は、46の国・地域の中から259作品の応募があった。最優秀賞を獲得した『The Divine』はイスラエルからの初めての入賞作品となった。講演ではまず『The Divine』についての話からスタートした。本作は政府と対立する仮想の国に赴いたエンジニアがそこでゲリラを率いていた双子の少年と出会うことで、やがて自身が政府と対立するようになるというものだ。作品のアイディアの素になったのは、ニューヨーク・タイムズに掲載されたジャングルにいる双子の写真や、ジャングルの孤児にスポットが当てられたドキュメンタリーフィルムなのだという。深刻なテーマの一方で、ファンタジックな要素が多く盛り込まれているのは、現実的なストーリーにすると話が複雑になり、かえって想像を妨げるためだという。そこで魔術が現実に起こり得る世界というファンタジーを舞台にした『The Divine』が誕生した。また講演の中ではイスラエルの日本漫画ついても触れられた。ボアズ・ラヴィ氏は、イスラエルでの兵役後にアメリカ・ロサンゼルスにアメリカのリトルトーキョーで小池一夫の『クライングフリーマン』を見つけたのが日本の漫画との出会いだという。一方で、イスラエルでは日本の漫画は少ない。イタリアで出版された漫画がさらにヘブライ語に翻訳されたものがほとんどだという。そもそもイスラエルには漫画のマーケット自体がほとんどなく、イスラエルで漫画家として活動している人も少ないと話した。イスラエルと日本でのポップカルチャーの違いにも話は及んだ。例えば両国ではヒーロー観に対しても違いがある。日本などで描かれるファンタジーを含んだヒーローは、イスラエルの子供たちにはあまり受け入れられないとアサフ・ハヌカ氏は説明する。イスラエルの子供たちにとってのヒーローは首相や戦場へ出向く兵士となることが多いそうだ。ファンタジーのヒーローは現実的ではなく中途半端なものに感じてしまうとのことである。兵役制度などもあり、大人になる年齢が早いとされるイスラエル。国の社会情勢の違いで娯楽に対する考え方の差も生まれるのかと考えさせられる講演だった。国際漫画賞http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/culture/koryu/pop/manga/第9回国際漫画賞受賞作品■ 最優秀賞『The Divine 【神聖なるもの】』作者:アサフ・ハヌカ&トーメル・ハヌカ(イスラエル) 原作者:ボアズ・ラヴィー(イスラエル)■ 優秀賞『無名歌vol.1(DEMO#1 vol.1)』作者:ヤオグンマオロッキャット(台湾)『Holy Dragon Imperator』作者:グエン・タン・フォン(ベトナム) 原作者:グエン・カイン・ズオン(ベトナム)『怕魚的男人(Ichthyophobia)【魚を恐れる男】』作者:リー・ロンジエ(台湾)
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