新宿ミラノ跡地再開発や渋谷新シネコンで協業 東急電鉄が東急レク連結子会社化

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私鉄大手の東京急行電鉄は2月10日、映画興行チェーンの東急レクリエーションの株式公開買付けと自己株式処分による第三者割当引受けでの株式取得を発表した。公開買付けは2月12日に開始、3月10日まで受け付ける。買付価格850円は前日終値に17.24%のプレミアがつけられた。
第三者割当後、公開買付株数も予定まで達すれば東急電鉄の持ち株比率は過半数50.1%まで上昇する。東急レクリエーションは引き続き上場を維持するが、東急電鉄の連結子会社となる。
東急レクリエ-ションの2016年12月期の連結売上高予想は333億8400万円、営業利益9億2700万円、経常利益7億3100万円、当期純利益4億9400万円としている。前期も14億800万円の純利益があった。

東急レクリエーション社名に東急の名前を冠して、国内大手映画興行チェーンを運営するが、これまで東急電鉄とグループ会社の保有株式は25.45%と資本関係は薄かった。公開買付けにより最大16.45%、第三者割当で8.2%の株式買い増しをする。さらに資本業務提携を結び、経営への影響力も増しそうだ。

東急レクリエーションは1946年に新日本興行株式会社として設立された。映画劇場を中心に娯楽施設の経営を中心とする。1955年には新宿東急文化会館を建設、ミラノ座、新宿東急を開業している。さらに1966年に東急文化会館を合併、1969年に株式会社東急レクリエーションに商号変更をした。
老朽化・再開発に伴い、2012年に渋谷東急文化会館、2014年に新宿ミラノ座、シネマスクエアとうきゅう、新宿ミラノボウルを擁する新宿東急文化会館とふたつの旗艦拠点を閉館している。他方で109 シネマズ二子玉川と109、シネマズ大阪エキスポシティなど大型シネコンを相次いでオープンした。国内19サイト175スクリーンの有力チェーンである。

東急レクリエーションは、新宿東急文化会館の再開発と、渋谷地区での渋谷東急文化会館に代わる新たなシネマコンプレックスの開業を目指している。すでに社内には新宿再開発準備室と渋谷開発プロジェクトが設けられている。
いずれもかなりの大型プロジェクトになり、都市開発に強い東急電鉄と連携をより強めようとの狙いがある。すでに東急レクリエーションは2015年11月に新宿東急文化会館の持ち分の45%を約53億円で東急電鉄に売却している。

映画業界から気になるのは、新宿、渋谷の再開発の行方だ。2007年にオープンした新宿バルト9(スクリーン数9)、その後の新宿ピカデリー(同10)、TOHOシネマズ新宿(同12)と新宿は3つの大型シネコンが競合する日本有数の激戦地区だ。もともと新宿東急文化会館の撤退もこのあおりを受けた面もあった。
もし新宿東急文化会館跡地再開発にシネコンが組み込まれれば、さらなるシネコン間の競争が激しくなる。同時に日本有数の映画の街として新宿の存在感が増す。
一方、新しいシネコン開発を掲げる渋谷は、かつて映画の街として知られたが、東急文化会館以外でも独立系の劇場の閉館が相次いだ。逆に映画のパワーダウンが目立っている地域だ。東急レクリエーションが大型シネコンを実現すれば、街の映画文化活性化にも大きな役割を果たしそうだ。
[数土直志]

[アニメ!アニメ!ビズ/www.animeanime.bizより転載]
《アニメ!アニメ!ビズ/www.animeanime.biz》

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