ミュージカル「青春-AOHARU-鉄道」”鉄道あるあるネタ”ノンストップで繰り出して抱腹絶倒 | アニメ!アニメ!

ミュージカル「青春-AOHARU-鉄道」”鉄道あるあるネタ”ノンストップで繰り出して抱腹絶倒

連載・コラム

ミュージカル「青春-AOHARU-鉄道」”鉄道あるあるネタ”ノンストップで繰り出して抱腹絶倒
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高浩美の アニメ×ステージ&ミュージカル談義
連載第153回

■ 鉄道路線の擬人化、歌う?踊る?で話題騒然

鉄道擬人化を題材にした『青春鉄道』(KADOKAWA メディアファクトリー/コミックウォーカー連載中)、2006年の東武鉄道のダイヤ改正に端を発して同人作品が発表され、後にメディアファクトリーより同人作品のよりぬきに書き下ろしを加えて単行本化された。現在はウェブコミックマガジン『コミックォーカー』に移籍、『青春鉄道(株)』と改称して2014年から月2回で連載開始、同人も続いている。異例の作品である。
また、一口に”鉄道の擬人化”というが、「架線が弱い」「ダイヤが乱れる」等の発言でもわかるように鉄道路線の擬人化である。現在、登場路線は、なんと90以上にのぼるとか。

今回、初の舞台化、しかもミュージカル、”鉄道路線”が歌って踊る、という趣向、登場する路線は東海道新幹線(永山たかし)、 山陽新幹線(滝川英治)、 西武池袋線(Kimeru)、 有楽町線(阿部よしつぐ)、 秩父鉄道(森山栄治)、 高崎線(郷本直也)、埼京線(豊永利行)、東海道本線(鯨井康介)、京浜東北線(高橋優太)、東武東上線(高崎翔太)、りんかい線(山本一慶)、宇都宮線(稲垣成弥)、副都心線(章平)、なお、あのメジャーな山手線は”日替わりゲスト”。日替わりならではの”お楽しみ”も期待したい。脚本・演出・作詞は川尻恵太、4月の舞台『じょしらく』で会話の面白さを最大限に引き出した脚本でコメディの手腕を発揮、期待値は高い。

■ ギャグの応酬、面白おかしい台詞がマシンガントークで展開

もともと、ストーリーはないので、舞台はオムニバス形式で進行する。上手下手の天井近くにスクリーンがあり、そこに映し出されるタイトル、順々に”あるあるネタ”が繰り出される。
鉄道路線のなかなかに深いネタのオンパレード。じわじわと来る笑いもあれば、即、笑えるネタもあり、基本的にネタは無尽蔵。細かいネタもあり、相互乗り入れネタや架線切れたネタ、リニア鉄道館や最近のネタ、23年ぶりの新幹線速度アップ等、原作同様にもう話題は尽きない状態。

各路線のキャラクター、誇張されているので、もはや”コント”だ。常にふんぞり返っている東海道新幹線、そのそばにいる、いかにも人が良さそうな山陽新幹線、会長を崇拝し、所沢を日本の首都だと思っている西武池袋線、秩父鉄道をこよなく愛し、西武池袋線に馬鹿にされる東武東上線、”痴漢電車”と言われて凹む埼京線、常にスカしたミステリアスキャラのりんかい線等、そのオーバーすぎるキャラクター構築度は、もう抱腹絶倒。山手線の内回り、外回りを俳優と腹話術の人形での表現は工夫の後が見える。
俳優陣は、実はミュージカル『テニスの王子様』で青学キャストだった面々。ちょっと同窓会的なキャスティング、息のあったギャグの応酬、時にはどついたり、相当なお馬鹿をやってるわりには、なんだか温かい。面白おかしい原作の台詞がマシンガントークで、次々と繰り出される。歌もよくよく歌詞を聴くと、これも笑える。鉄道マニアなら間違いなく2時間ノンストップでウケまくれる。

脚本は川尻恵太、原作を次から次へとテンポよく、飽きさせないテクニックはなかなかだ。楽曲も楽しく、いかにも”ミュージカル”な曲調もあれば、ROCKな感じもあり、バラエティに富んでいる。担当はあらいふとし+ミヤジマジュン。
ラストは路線勢揃いで歌って踊る。絶対に絡むことのない路線も、ここでは一堂に集まってさながら”祭”状態。深く考えずに気楽に楽しみ、帰りは”これはこういうキャラだったのか”としみじみ思いながら各路線に乗ってみるのも一興だ。

なお、ゲネプロ前に囲み取材があった。登壇したのは東海道新幹線役の永山たかし、山陽新幹線役の滝川英治、西武池袋線役のKimeru、埼京線役の豊永利行が登場した。かつてミュージカル『テニスの王子様』の青学初代キャストとして共演していた4人。最初から和気あいあい状態だ。
永山が「僕らの10何年を見せられたら」としみじみ。豊永は「同窓会気分だったんですが、いざ稽古が始まると中身は全然違うお話なので、10数年前には見られなかったみんなの一面が見えたりもしました」とコメント。滝川は蚊の鳴くような声で「本当に気合いを入れてやってきました」と語るやいなや「ちっちゃいね!声!」とか「お葬式みたいだよ!」と永山とKimeruが激しくツッコミ。気心の知れた仲間の容赦ない2人に滝川、苦笑い。
Kimeruは「マニア向けの内容だったりするので、地方の方が観に来る中、関東の路線をどう表現するのかが課題」とコメント。しかし、稽古を経て自信が持てたと語る。

各キャスト、自分が演じる路線には愛着がわいたようで豊永は「埼京線に乗るとお年寄りに席を譲ったりとかします。埼京線の秩序を守ろうっていう責任感がわいた」とコメント。
Kimeruは「上京した時、初めて働いたバーが江古田にあったので、西武池袋線は思い入れがある」と語る。西武百貨店の紙袋を見るだけで「ありがとうございます!」になってしまうとか。奇しくもこの日の朝、高崎線がいのししを轢いたニュースが出たが(上下線で2時間運転見合わせ!)、永山は「(高崎線役は郷本直也)直也、大丈夫かなって思った。メンタル、ヨワいのに(笑)」と鉄道事故には敏感に反応。舞台中央にはレール。ちょっと上向きにとぎれているが、未来をイメージしており、なんだか心憎い。それを永山は「未来は僕らが作るもの、という意味での現在地」と分析。
終始、楽しそうな4人、この愛着こそが舞台のスパイス。原作には多くの路線があるので、関西編とか九州編とか出来そうな気配だ。

ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』
2016年11月18日~11月23日
全労済ホール スペース・ゼロ
《高浩美》
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