全長18メートル、実物大のガンダムを動かす。「ガンダム GLOBAL CHALLENGE」は『機動戦士ガンダム』40周年となる2019年に完成を目指した、途方もないプロジェクトだ。 手始めに2014年7月より2015年2月27日まで、1/1のガンダムを実際に動かす「リアルエンターテインメント部門」と、視覚効果を利用し仮想空間で動かす「バーチャルエンターテインメント部門」を世界中から募集し、選考を進めていた。その結果発表の場『ガンダム GLOBAL CHALLENGE PRESENTATION ~第一次選考発表会~』が2015年10月26日(月)、秋葉原UDXシアターにて行われた。
サンライズ取締役会長であり、ガンダム GLOBAL CHALLENGE代表理事を務める宮河恭夫氏、バンダイ取締役会長で、チーフ・ガンダム・オフィサーを務める上野和典氏、創通の代表取締役社長で、ガンダム GLOBAL CHALLENGE理事を務める青木健彦氏がまずは壇上であいさつを行った。 宮河氏は「海外からも多数応募をいただき、国内と海外の比率は3対1でした。ご応募本当にありがとうございました」と、募集の成果を報告した。
「ガンダム GLOBAL CHALLENGE」第一次選考に選ばれたのは、奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科博士後期課程に在籍する金子裕哉さん、Chiang国立台湾大学 准教授のMing-Hsunさん、ロボフューチャー代表取締役の木原由光さん、東京大学情報システム工学研究室 在籍の岡田慧さん、以上の4名。岡田さんはあいにくの欠席となってしまったが、他3名は宮河氏とゲスト・プレゼンターのSUGIZO氏(LUNA SEA/X JAPAN)から記念の楯と賞金が贈られた。
受賞者の設計・シミュレーションは、困難とされる二足歩行のシステムを本格的に工学で解決しようと挑んだものばかりとのこと。 「ガンダム GLOBAL CHALLENGE」の技術監修を行っている早稲田大学副総長 理工学術院教授の橋本周二氏は「本当の困難はこれから。ひとつやふたつのブレイクスルーがなくては、ガンダムの二足歩行は実現しない」とコメントした。18メートルのロボットが動くことがいかに難しいかを伝えるとともに、実現させようという強い意欲を見せた。
宮河氏は「ガンダム GLOBAL CHALLENGE」をアポロ計画になぞらえ、試行錯誤のプロセスも含めてロボット技術の進歩に繋がる可能性を感じていると語り、橋本氏は「周りの学者は『バカなことだ』と言います。だからこそ引き受けました。どこかに解はある。知恵を絞ってアイデアをまとめていきたいです」と、このプロジェクトを決して生半可な思いで引き受けていないことを明かした。 最後にはバンダイナムコホールディングス代表取締役社長の田口三昭氏が登壇し、プロジェクトの進展への喜びと今後への期待を述べ、発表会を締めくくった。