CEDEC2015でアニメ、ゲーム、実写がクロス 「3DCGが変えたアニメとは」レポート

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8月26日から28日まで、パシフィコ横浜にてCEDEC 2015(コンピューターエンターテイメントデベロッパーズカンファレンス)が開催された。もともとコンシュマーゲーム開発技術の情報交換の場として始まったCEDECは、近年は、オンラインゲームやアプリゲームなどの新分野を取り込むことで、その役割をさらに拡大させている。それはゲーム開発分野で、コンシューマ、モバイル、ネットワークの融合が進んでいることの表れかもしれない。
一方で、CGを中心に親和性が高いとされるアニメーション分野とCEDECのつながりは意外に進んでいない。220を超えるCEDEC 2015のなかでアニメーションを正面からテーマとしたものは10に満たなかった。

そうした数少ないセッションのひとつが、CG-ARTS協会とのコラボレーション企画として設けられた「3DCGが変えたアニメとは」だ。こちらはいくつものジャンルがCG、そして新しいテクノロジーを核に、ますますボーダレス化していることを存分に感じさせた。
セッションは2部構成で、前半は塩田周三氏(ポリゴン・ピクチュアズ代表取締役)、松浦裕暁氏(サンジゲン代表取締役)、水崎淳平氏(神風動画代表取締役)、吉岡宏起(グラフィニカ デジタルアニメーション総括取締役 チーフプロデューサー)とアニメーションサイドのプレゼンテーションとトークを中心に構成、後半はこれにゲームサイドから松山洋氏(サイバーコネクトツー)、実写やインタラクティブメディアの尾小山良哉氏(wise代表取締役)、橋本善久氏(リブゼント・イノベーションズ代表取締役社長)が加わった。
クロストークはCG映像の技術を切り口に、様々な分野に広がった。「コンテンツのマルチユース化がさらに進み、マルチユースのためにはデジタル化が不可避である」「新たなワークフローの開発の必要性」「ユザーそれぞれにカスタマイズされたリアルタイムなコンテンツの可能」など、活発な意見が交わされた。しかもアニメ、ゲーム、実写映像の関係者が同じ場で、同じテーマで違和感なく語ことで、新しい時代はすでに訪れているのだと感じさせる。

前半パートでは、アニメの新しい制作工程への挑戦がとりわけ興味深い話題であった。例えばポリゴン・ピクチュアズの塩田氏は、スタジオの運営に製造業のマインドが必要と指摘する。作品の設計図まではクリエイティビティが重要だが、一旦そこが決まればきっちりとしたワークフローで進めると、同社のワークフローについて紹介した。
またそうしたワークフローのなかで、絵コンテの部分の効率化を課題として挙げる。デジタル化の進むアニメーション制作のなかで残っている非デジタルの部分のデジタル化が今後進みそうだ。

グラフィニカが取り上げたデジタル作画も興味深いテーマである。現在、アニメーション制作では、動画、原画といった実際に手で絵を描く部分(作画)のデジタル化はあまり進んでいない。グラフィニカでは、タブレットを使うことで、そうした部分のデジタル化に挑む。
デジタル作画の利点は、鉛筆で描かれた絵のスキャニングなどの工程が省かれること、さらにデジタル作画を続けることで一定の期間で生産性が高まることである。
これに対して塩田氏は「CGと作画をひとつにしたい」「この流れは止められない」と新しい挑戦に意欲的だ。一方で、水崎氏は「だからといって手描きは消えるわけではない。いいかたちで残したい」と話す。吉岡氏は「作画(アニメーター)の人口が減っているなかで、どうやって残していくのか、進化させるのか」と指摘する。作画とCGが共に進化しつつ新たな時代が来るのではないかと感じさせる議論であった。
[数土直志]

[/アニメ!アニメ!ビズ/www.animeanime.bizより転載記事]
《アニメ!アニメ!ビズ/www.animeanime.biz》

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