6月16日、日本玩具協会は2014年度(2014年4月~2015年3月)の国内玩具市場の大きさをまとめ発表した。これによれは店頭価格ベースでの国内玩具市場は7367億円と前年比で9%増と好調な伸びとなった。この数字は過去10年間では最高で、7000億円超えも10年ぶりとなる。玩具業界にとって堅調な一年であった。また玩具市場の数字には含んでいない玩菓も前年度の563億円(出荷ベース)から659億円へと17%増、カプセル玩具も278億円から319億円の14%増である。両分野からも好調な様子が窺える。日本玩具協会によれば、2014年度は「妖怪ウォッチ」の大ブームがあり、「アナと雪の女王」の商品も人気だったという。大型ヒットが市場全体を牽引した。ジャンル別ではとりわけ好調だったのが、男児キャラクター玩具である。799億円と前年度比で79%増にもなっている。やはりここで主力は「妖怪ウォッチ」で、「妖怪メダル」「DX妖怪ウォッチ」「DX妖怪ウォッチ 零式」の大ヒットに支えられた。このほか前年度比でプラスだったのが、ハイテク系トレンドトイ(9%増)、女児玩具(6%増)、ぬいぐるみ(12%増)、雑貨(21%増)などである。一方で、カードゲーム、トレーディングカードゲームは苦戦した。2013年度の836億円から787億円と6%の減少となった。日本玩具協会は「妖怪ウォッチ」などの人気の影響もあるとするが、2011年度には1000億円を超えていたものが、3年連続の減少で800億円を割り込み低迷を抜け出せないかたちだ。このほか一般ゲーム・パズルなどが4%減だった。しかし、市場全体でみれば明るい一年だったと言えるだろう。日本玩具協会は年明けからゴールデンウィークにかけても市場は好調だとしている。キッズマーケットに依存しがちな玩具産業は、子ども数が減る中で斜陽産業とみられがちだ。しかし、過去10年間の業界動向をみれば、新しいアイディアの発掘と、幅広い層に向けたキャラクター活用・開発がそうしたトレンドを打ち破っている。海外展開を含めて、玩具業界は今後も大きな可能性がある市場と言っていいだろう。
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