米国で日本マンガ・アニメを手がけるVIZ Mediaは、国内で上映中の劇場アニメ『THE LAST NARUTO THE MOVIE』を米国で公開する。ロサンゼルスの独立系配給会社ELEVEN ARTSと協力し、2015年2月20日から上映をスタートする。 全米の主要20都市から上映をスタートする。ニューヨークやボストン、ヒューストン、ダラス、ロサンジルス、サンディエゴ、サンフランシスコ、シアトルなどが含まれる。しかし、具体的なスクリーン数は発表されておらず、スタート当初の出足をみながらの拡大を狙う戦略とみられる。
『THE LAST NARUTO THE MOVIE』は、国内では2014年12月6日に公開をスタートした。原作マンガの完結直後、マンガでは描かれていないエピソード、そして原作者・岸本斉史による総監修などが話題を呼び大ヒットになっている。 一方『NARUTO』のマンガ、アニメは、海外で絶大な人気を誇る。米国でも最も人気の高い日本のマンガ、アニメのひとつだ。それだけに今回の上映もファンからの関心が高い。 近年は日本のテレビアニメは、インターネット動画配信の発達で米国でも日本のテレビ放送と同日に番組視聴出来ることが増えている。『NARUTO』も同様だ。 しかし映画については米国での映画配給のハードルが高く、劇場公開はされない作品が多く、公開されても日本の公開日より大きく遅れることが多い。今回の『THE LAST NARUTO THE MOVIE』は、日本の公開からわずか2ヵ月後の上映で、これも大きなトピックである。
配給を担当するELEVEN ARTSは、アジア映画や日本アニメの劇場配給を得意にしている。近年は、米国国内での日本アニメの限定上映のニーズの拡大もあり、配給本数を増やしている。「エヴァンゲリオン新劇場版」シリーズや、「劇場版魔法少女まどか☆マギカ」シリーズなどが代表的な作品だ。公開規模は必ずしも大きくないが、現地のアニメファンの掘り起こしや話題づくりにも大きな役割を果たしている。 VIZ Mediaは2014年8月末から8月にかけても、ELEVEN ARTSと協力して『ROAD TO NINJA - NARUTO THE MOVIE』の全米45都市で上映をしている。日本アニメの米国上映を継続的に手がける構えだ。