名古屋で国際デジタルアニメーションフェスティバル フル3DCGだけのコンペティション

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名古屋で国際デジタルアニメーションフェスティバル フル3DCGだけのコンペティション
  • 名古屋で国際デジタルアニメーションフェスティバル フル3DCGだけのコンペティション
  • Je Regarde氏
  • 名古屋で国際デジタルアニメーションフェスティバル フル3DCGだけのコンペティション
  • 名古屋市長・河村たかし氏
  • 「PREMIER AUTOMNE(初秋)」
  • 「Jinxy Jenkins, Lucky Lou(不運なジェンキンスと幸運なルー)」
  • 「Willy's Night of Surprises(ウィリーの驚きばかりの夜)」
  • 「Centopeia(セントピア)」
国際デジタルアニメーションフェスティバルNAGOYA2014で12月6日、最終ノミネート作品の上映会と表彰式があり、冬の少年Abelと夏の少女Apollineの美しくも哀しい出会いを描いた「PREMIER AUTOMNE(初秋)」が、グランプリと観客賞の二冠を受賞した。準グランプリには「Jinxy Jenkins, Lucky Lou(不運なジェンキンスと幸運なルー)」、審査員特別賞に「Centopeia(セントピア)」、エクシング賞と名古屋市長賞に「Willy's Night of Surprises(ウィリーの驚きばかりの夜)」が輝いた。

本イベントはデジタルコンテンツ博覧会NAGOYA2014(主催:デジタルコンテンツ博覧会NAGOYA実行委員会)の一環として、ナディアパーク(愛知県名古屋市)で開催されたもの。フル3DCGのアニメーション作品を対象とした国際的なコンペティションで、クリエイターの発掘・育成と成果発表の機会提供、3DCGアニメの魅力の啓蒙、可能性の追求などを目的としている。
第一回目となる今回は世界19カ国から74作品の応募があり、会場で最終ノミネート15作品が上映された。

「初秋」は、植物が元気よく生え茂る夏の世界の少女Apollineと、一面雪景色で冬の寒々とした世界に暮らす少年Abelの出会いを描いた短編。両者が暮らす世界が繋がったことで2人は出会い、お互いに惹かれあうものの、環境の違いから手を取り合うこともできないというストーリー。絵本のようなビジュアルと、国境や政治体制の違いなどすら暗喩させる、意味深な内容となっている。
フランス人で日本が大好きという作者のJe Regarde氏は、表彰式で「グランプリに選んでいただき、たいへんありがとうございます。日本を愛している私にとって、日本でこのような賞をいただくことができて、とても嬉しいです」とコメントした。

審査員長で白組代表取締役副社長の小川洋一氏は講評で「日本は世界でもまれなアニメ大国だが、そのほとんどは手描きアニメ。その中でも最近ではフル3DCGのアニメ作品を見る機会が増えている。このようなときに名古屋でフル3DCGアニメに特化したコンテストが開催されたことは、とても意味がある」と評価。最終選考の15作品はどれも独自の世界観があり、それぞれのやり方で丁寧に作られており、台詞がなくとも内容が理解できる素晴らしい作品ばかりだったと語った。

その上でグランプリの「初秋」と、準グランプリの「不運なジェンキンスと幸運なルー」は共に対照的な作品で、甲乙つけがたかったことを明かした。
「初秋」がアート的な作品なのに対して、「不運なジェンキンスと幸運なルー」は文字通り何をやってもダメダメな少年ジェンキンスと、いつもラッキーなことばかりが続くことに内心うんざりしている少女ルーが引き起こす珍騒動を描いた作品で、誰でも理屈抜きに楽しめるエンタテインメント作品。小川氏は「すべての3DCGアニメ作家は、このアートとエンタテインメントの間で揺れ動いている」と説明し、本コンテストを象徴する二作品になったと振り返った。

なお、イベントの実行委員会は名古屋市、中日新聞社、中部ゲーム産学協議会(GAIRA)で構成されており、平成26年度文化庁地域発・文化芸術創造発信イニシアチブによる助成金も活用されるなど、文字通り産官学による取り組みである点も特徴となっている。

受賞式の最後には名古屋市長の河村たかし氏も登壇し、受賞者に祝辞を述べた。河村氏は「フル3DCGのアニメーションコンテストはモノ作りが盛んな名古屋ならではの取り組み」と語り、「名古屋はデジタルコンテンツを学べる学校が多く、優秀な人材が豊富な土地柄。彼らが今後、名古屋で活躍し、高い技術を世界に向けて配信することで、当地域のデジタルコンテンツ産業がさらに発展することを期待している」と展望を説明。最後に「ノット、トーキョー。バット、ナゴヤ」と締めくくり、会場を沸かせた。
[小野憲史]

国際デジタルアニメーションフェスティバルNAGOYA2014
http://idaf-nagoya.com/animation_festival/

[グランプリ&観客賞] 
PREMIER AUTOMNE(初秋)/Je Regarde(フランス)

[準グランプリ]
Jinxy Jenkins, Lucky Lou(不運なジェンキンスと幸運なルー)/Michael Bidinger, Michelle Kwon(アメリカ)

[審査員特別賞]
Centopeia(セントピア)/Clement Rouil(フランス)

名古屋市長賞&エクシング賞
Willy's Night of Surprises(ウィリーの驚きばかりの夜)/TEAM AT1(日本)

【以下、最終ノミネート作品】
JUSTE DE L'EAU(水の中)/Je Regarde(フランス)
The Silent Melody(静かなるメロディー)/Jinfeng Li(アメリカ)
Luma St.(ルマ・ストリート)/Team Luma(イギリス)
Amazing Adventure(アメイジングな冒険)/Danny Clark(アメリカ)
ECIRAVA(エシラヴァ)/金子大祐(日本)
Decimate(大量破壊)/Lawrence Xiao(シンガポール)
CHANGE(チェンジ)/HAL東京CG-Bクラス(日本)
Camanchango(カマンチャンゴ)/Felipe Cea Lazo(チリ)
Migration(移動)/Fluorescent Hill(カナダ)
Dave(デイブ)/Alice Chua(シンガポール)
Little Adventure(小さな冒険)/中村 和也, 山城菜里子, 村上翔(日本)

《小野憲史》

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