日本のアニメの新しい可能性を探るべく、2014年11月から始まった「日本アニメ(ーター)見本市」に、またまた異色の作品が登場した。12月5日より配信を開始した「安彦良和・板野一郎原撮集」である。この作品はアニメというよりも、資料映像と言っていいだろう。1979年に誕生し、いまなお熱い人気を誇る『機動戦士ガンダム』のテレビシリーズと劇場版のレイアウト・原画をピックアップ、実際に完成した本映像と並べて紹介するというものだ。原画がアニメ制作でどんな役割を果たしているか、一目で分かる仕組みになっている。しかも今回の原画は、安彦良和氏と板野一郎氏の描いたものを庵野秀明氏がピックアップ、映像として構成・編集したものだ。ファンには堪らないものだろう。安彦良和氏は、1970年代に虫プロからキャリアをスタート。その後、サンライズに移り『機動戦士ガンダム』のキャラクターデザイン・作画監督を務めた。現在はマンガ家として活躍する。その抜群の絵のうまさはよく知られており、劇場版『機動戦士ガンダム』のレイアウト・原画はその才能を知るのに相応しい仕事だ。一方、板野一郎氏は戦闘機やメカニックの動き、爆発表現などに定評があるトップアニメーターである。その力量は『超時空要塞マクロス』や『伝説巨神イデオン』などで発揮されている。現在は、3DCGの現場でも活躍する。『機動戦士ガンダム』の制作現場では、動画から原画に昇格したばかりであった。そこで後のメカ作画の革新への萌芽を示し始めていた。今回、庵野氏が二人を特にピックアップしたのは、庵野氏が両アニメーターの仕事に絶大な影響を受けたためだという。両氏の功績を称え、さらにその素晴らしさを世に伝える企画だ。若き日の庵野氏を驚かせたその絵は、現代でも同様の驚きを与えるに違いない。アニメではなく、アニメの絵の魅力、その描かれかたや動きを映像で紹介する意表をついた作品だ。アニメの可能性を広げるという日本アニメ(ーター)見本市ならではだ。また映像と合わせて見ておきたいのが、日本アニメ(ーター)見本市の本作の紹介ページである。映像に加えて、原画の種類や本作の制作方法などが掲載されている。この企画の掲載は2015年3月4日までの半年と期間が限定されている。期間中に是非、確認したいところだ。日本アニメ(ーター)見本市http://animatorexpo.com 「安彦良和・板野一郎原撮集」http://animatorexpo.com/gensatsu_gundam/配信日: 12月5日(金)(※2015年3月4日までの限定公開)出典: 機動戦士ガンダムより構成・編集: 庵野秀明制作: スタジオカラー製作・著作: サンライズ『機動戦士ガンダム』(C)創通・サンライズ
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