静岡県三島市にある大岡信ことば館にて、「新海誠展 ―きみはこの世界の、はんぶん。―」が開催されている。展覧会は新海誠監督がZ会のための制作した短編アニメ『クロスロード』をはじめ、初期作品の『彼女と彼女の猫』、『秒速5センチメートル』、最新作『言の葉の庭』の4作品を取り上げたものだ。作品を創り出した絵コンテや原画、さらに映像資料などを基に、アニメ制作の裏側やそこに流れる新海誠監督の世界観までを明らかにする。新海ファン必見の企画展示だ。展覧会開催を記念して、8月24日には同館で「新海誠 『クロスロード』 メイキングセミナー」が実施された。作品について、さらに新海監督が自ら語るというものである。数多くのファンを持つ新海監督だけにセミナーは大人気、当日の会場は高い倍率を勝ち抜いたファンでぎっしり埋め尽くされた。また、セミナーの後半では、会場を訪れていたアニメーターの田中将賀さん(『クロスロード』キャラクターデザイン・作画監督)、音楽家の多田彰文さん(『クロスロード』主題歌編曲)、そしてアーティストのやなぎなぎ(『クロスロード』主題歌・歌)の3人がサプライズで参加。来場したファンを驚かせる贅沢かつ充実の内容となった。メイキングセミナーは、新海監督の緻密さが発揮されたものだった。単なる制作秘話にとどまらず、作品の紹介からはじまり、企画、脚本、コンセプトづくり、背景やコンポジットを順番に解説、コンセプトと技術の両面から『クロスロード』のメイキングが余すことなく語られる。まさにアニメの作りかたの全てを伝えるスタイルだ。まるで大学の講義のようとも思わせた。同時にセミナーでありながら楽しめる要素が満載なのは、新海監督のエンタテナーらしい持ち味と丁寧な語り口によるものだ。例えば、作品のイメージづくりで、「少女と先生編」から「少女と少年編」、そして「少女と少年編+先生編」とコンセプトが進展していくなかで、『クロスロード』の最後で大学(どうやら東大らしい)の合否を語らないわけが明確になっていく過程は興味深かった。合否は問題ではなく、大学の先にあるものを目指しているのだという。作画パートでは新海監督が受け手となって、人気アニメーターの田中将賀さんから話を訊く。アニメとしては小品であるにも関わらず本作で数々の細かい設定が作られているのは、「短いものなので、細かいところに凝りたかった」といった印象的な言葉を引き出す。また作品を振り返りながら気になるシーンをピックアップし、そのテクニックを紹介する。音楽パートでは、多田彰文さんとやなぎなぎさんが主役だ。多田さんが音源を用いながら、作品の音楽を解説、ここでは楽器の音を全て消してやなぎなぎさんの歌声だけを取り出すという滅多にない試みも披露された。セミナーは当初から1時間半とかなりたっぷりの予定だったが、さらに質疑応答を加えて2時間近くにもなった。話もたっぷりだったが、とにかく2時間で出てきた素材の量の多さは格別だ。その幅広さも含めると、通常のメイキングセミナーでもなかなかないだろう。参加者にとっては、貴重な半日になったに違いない。こうした新海監督の作品づくりで使用した素材の一部は、新海誠展でも鑑賞可能だ。展覧会は10月19日まで大岡信ことば館で続く。静岡県三島市とやや遠く感じるが、美術館はJR三島駅正面なので、想像以上に手軽だ。わざわざ時間を作ってでも出掛ける価値は十分あるだろう。「新海誠展 ―きみはこの世界の、はんぶん。―」/http://kotobakan.jp/exhibitions/shinkai-makoto
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