富野総監督「アニメを再び、子どもの手に」、『ガンダム Gのレコンギスタ 特別先行版』舞台挨拶レポート | アニメ!アニメ!

富野総監督「アニメを再び、子どもの手に」、『ガンダム Gのレコンギスタ 特別先行版』舞台挨拶レポート

『機動戦士ガンダム』から35年。記念の年を飾る大本命作がいよいよヴェールを脱ぐ。『ガンダム』の生みの親でもある富野由悠季が『ガンダム Gのレコンギスタ』を世に送り出した。

イベント・レポート
注目記事
富野総監督「アニメを再び、子どもの手に」、『ガンダム Gのレコンギスタ 特別先行版』舞台挨拶レポート
  • 富野総監督「アニメを再び、子どもの手に」、『ガンダム Gのレコンギスタ 特別先行版』舞台挨拶レポート
  • 富野由悠季総監督
  • 左)石井マークさん(ベルリ・ゼナム役)、右)嶋村侑さん(アイーダ・スルガン役)
  • (C)創通・サンライズ・MBS 
  • (C)創通・サンライズ・MBS 
  • (C)創通・サンライズ・MBS 
  • (C)創通・サンライズ・MBS 
『機動戦士ガンダム』から35年。その記念の年を飾る2014年、大本命作がいよいよヴェールを脱ぐ。『ガンダム』の生みの親でもある富野由悠季が完全新作『ガンダム Gのレコンギスタ』を世に送り出した。
10月のテレビ放映スタートに先だち、本作は8月23日(土)から9月5日(金)の2週間限定で全国13箇所の映画館にて第1話から第3話までをまとめた特別先行版が上映中だ。その舞台挨拶が8月24日(日)、新宿ピカデリーで行われた。
登壇者は石井マークさん(ベルリ・ゼナム役)、嶋村侑さん(アイーダ・スルガン役)、佐藤拓也さん(ルイン・リー役)、そして原作・脚本・総監督の富野由悠季さんだ。司会進行は松澤千晶アナウンサーが担当した。

『ガンダム』シリーズの新作を手がけるのは『∀ガンダム』以来15年ぶりとなる富野総監督だ。本作を制作できるようになったのはファンの方々のおかげです、とした上で、「35年間の歴史の中で『ガンダム』は徐々に大人のものになっていってしまった。60才を迎えて孫を持つようになった時に、この状態で本当にいいのだろうかと考えるようになりました」と作品構想の発端を語った。

『特別先行版』の見どころについて、石井さんは「アニメのレギュラーをやるのは初めてのことだったので、気合いを入れて第1話に臨みました。ベルリはキャラクターをどう提示するのか、試行錯誤しながら演じた第1話の冒頭は注目してください。あとは第2話の後半にとあるシーンがあります。そこもぜひ注目してほしいと思います」と語った。
上映前のために具体的なシーンを明かすことはなかったが、嶋村さんも「第2話のそのシーンは私にとっても大事なところです。オーディションの時に読ませていただいたシーンで、それからずっと自分の中で考え続けてきたところであり、それをやっと吐き出せたシーンになっています。ぜひ流れの中で見ていただいて、何か感じていただければと思います」と自身においても大切なシーンであることを明かした。
佐藤さんは「僕らが子どもの頃に見ていたアニメはこうだったよなと、どこか懐かしさを感じることもあります。若い人たちにも『こんな愉快な、にぎやかなアニメがあるんだ』と感じていただければうれしいです」と自身の子ども時代に触れながら語った。

富野総監督の本作の中に込めた「子どもへの思い」は強い。本作の第1のターゲットは『10才~17、8才』と富野総監督は語った。
「子ども目線で、子どもに分かってもらうように作るとはどういうことか。自分の思考回路・好みだけでは絶対に作らせてもらえないんです。おじいちゃんの立場で言えば「孫たちに喜んでもらえるように」と配慮すること。それぞれの世代の立ち位置を意識して、年寄りが伝えられることを伝えるために、次や、そのまた次の孫たちの顔を思い浮かべることはとても大事なことなのではないかと改めて教えられました」

キャスト陣に対して「アフレコ現場での富野総監督とのエピソードは?」との話題が上がると、石井さんは「第1話で、(アフレコの経験も浅く)どうしたらいいか分からなくて、気後れして声が出なくなったりしていたんです。すると監督から『腹から声出せ!』と言われて、ひー!って(笑)。技術や経験はこれから積み上げるしかありません。今後も体当たりで監督について行けたらなと思います」と今後の成長を力強く宣言した。
嶋村さんは「富野さんはいつも最後に、言葉ではなく(肩に)ポンと手を置いてくださったりして『道』をそっと示してくださるんです」と富野総監督のキャストに対する一面を披露。佐藤さんは「キャスト陣の平均年齢が若いはずなのに、アフレコでは小さくまとまってしまいがちなんです。僕たち世代の特徴がそうなのかな。エネルギッシュな監督に負けちゃいられないんだ、と感じています」と、現場に対する熱意を覗かせた。

全26話となるシナリオを自ら書き上げた富野総監督は、本作が『ロード・ピクチャー』であると明かした。それに気付いたのはつい三ヶ月前なのだという。
「実際にベルリとアイーダが動き始めた時、『あ、これは行って帰ってくる物語なんだ』という視点を手に入れることができました。シナリオを書いている時には分からなかった。映画として最も原理的な方法(ロード・ムービー的な方法)を撮っているんだということです」

制作現場は早くも大変な状況にあるとも富野総監督は明かしたが、「がんばるぞ!」と一喝、エネルギッシュな姿を見せた。
最後に挨拶を述べるとキャスト、総監督ともども深々と頭を下げ、万雷の拍手を浴びながら退場。舞台挨拶は終了した。

「すごく元気のたくさん詰まった賑やかな作品です。最後まで楽しんでください。ありがとうございました」(佐藤拓也さん)
「大きなスクリーンと大きなスピーカーで『Gのレコンギスタ』を楽しんでください。ありがとうございました」(嶋村侑さん)
「登場人物一人一人がとてもおもしろいですし、日常のやりとりや風景もたくさん出てきていろんな発見があると思います。最後まで楽しんでいただければうれしいなと思います。ありがとうございました」(石井マークさん)
「『年寄り仕事』にはしていないつもりですが、本人が思っているだけかも知れません。そういう部分を見つけたら本当に教えていただきたい。そのことが次の活力になると思っています。とにもかくは3話分まとめて上映させていただきたいと思いますのでご覧いただきたいと思います。今日は本当にご来場いただきましてありがとうございます」(富野由悠季総監督)
[細川洋平]

『ガンダム Gのレコンギスタ 特別先行版』 
全国13館にて上映中 
/http://www.g-reco.net/

[スタッフ]
総監督: 富野由悠季 
キャラクターデザイン: 吉田健一
メカニカルデザイン: 安田朗、形部一平、山根公利
デザインワークス: コヤマシゲト、西村キヌ、剛田チーズ、内田パブロ、沙倉拓実、倉島亜由美
色彩設計: 水田信子
美術: 岡田有章
音楽: 菅野祐悟
音響監督: 木村絵理子
企画・製作: サンライズ

[キャスト]
ベルリ・ゼナム: 石井マーク 
アイーダ・スルガン: 嶋村侑  
ノレド・ナグ: 寿美菜子 
クリム・ニック: 逢坂良太 
ルイン・リー: 佐藤拓也
マニィ・アンバサダ: 高垣彩陽 
ラライヤ・マンディ: 福井裕佳梨

『ガンダム Gのレコンギスタ』
(C)創通・サンライズ・MBS
《細川洋平》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集