『機動戦士ガンダムUC』福井晴敏インタビュー(ストーリー担当) 5年の歳月を経て完結 前編 | アニメ!アニメ!

『機動戦士ガンダムUC』福井晴敏インタビュー(ストーリー担当) 5年の歳月を経て完結 前編

インタビュー

2010年に発表されたepisode 1から丸5年、『機動戦士ガンダム』35周年という記念すべき年に、『機動戦士ガンダムUC』がepisode 7「虹の彼方に」をもって完結した。本作はアムロやシャアが生きた時間軸【宇宙世紀】を舞台に作られた新たなるガンダムである。これに加え、そのストーリーを人気作家・福井晴敏さんが担当したことでも大きな話題になった。
今回、小説の執筆に着手されてから丸8年、アニメの制作にもストーリー担当として深く携わった福井さんにあらためてシリーズ全体についてじっくりと話をうかがった。
[取材・構成:細川洋平]

□ 福井晴敏 (ふくい・はるとし) 
1968年、東京都墨田区出身。1998年『Twelve Y.O』で第44回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。『亡国のイージス』、『終戦のローレライ』といった代表作を上梓。また『∀(ターンエー)ガンダム』のノベライズを執筆している。

『機動戦士ガンダムUC』
公式サイト / http://www.gundam-unicorn.net/

■ フラウ・ボゥの吹き飛ばされる姿にドキッとした

―まず、『機動戦士ガンダム』との出会いについて伺わせてください。初めて観たのはいつ頃だったのでしょうか?

福井晴敏(以下、福井)
出会いは『機動戦士ガンダム』がブームになっていた頃、小学校5、6年生の時だと思います。

―ガンダムは本放送後、再放送でブームに火が付きました。その再放送でご覧になったかたちですか?

福井
本放送前の新番組の予告編でチラッと見た記憶はあるんですよ。フラウ・ボゥが爆発でボーンって吹き飛ばされるカットがあって、ちょっとドキッとはしました。ただその時は「ロボットとかは、俺はもう卒業かな」と見なかったんです。

―小学生でロボットものから卒業というのは早い方ではなかったのでしょうか。

福井 
俺たちの世代にとってのロボットものは今で言う戦隊ものと同じで、小学校2、3年生で卒業という感じなんですよ。俺たちの世代が特殊なのは、ヤマトブームに引き続いてガンダムブームが来て、もう少し年が上でもアニメ見るんだという最初の子どもなんです。
ガンダムを見ることがむしろ大人っぽい。そういう空気の中で再放送を見ました。その後に、ガンプラ手に入れるために東奔西走してという感じでした。

―「ガンダム」は他の作品と違ったのでしょうか。

福井 
それこそフラウ・ボゥのカットです。何にドキッとしたかというと、生々しかったんです。ヤマトや他のロボットアニメでも爆発で人が吹き飛ばされるというシーンはいくらでもあるのだけど、どこか定型の絵割があった。だけどフラウ・ボゥは、一瞬何が起こったかわからない様子でキョトンとした顔になった後、ボーンと飛ばされる。
その生々しさがすごく印象に残ってました。

―大きなブームに乗るかたちで、先生も夢中になっていったわけですね。

福井 
そうですね。他の人と多少ブームの乗り方が違ったとしたら、富野(由悠季)さんが書いたガンダムの小説を早い段階で読んだというところです。小学5、6年の時に回し読みをするのがクラスでブームになってたんです。思春期の我々にいろいろな意味で直撃する一作でした。
俺は本とか全然読まない子どもだったけど、富野さんの言葉選びとかもすごくカッコいいなと思いました。早いうちから、作り手を意識して見たのが、他の人と違うところだと思います。

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■ 軽い言葉から始まったユニコーン

―『ガンダムUC(以下、UC)』を執筆するきっかけになったのは何だったのでしょうか。

福井 
最初のきっかけは、富野さんにデビュー作を献本したことです。その時は「自分の本を富野由悠季さんのところに送れるって凄え!」って、その後どうなるかは全く考えていませんでした。
そしたら、すごく丁寧なお手紙が富野さんから来たんですよ。よく頑張った3割、批判7割の、「ようやく読めました」という書き出しから始まる感想文が。その書き出しを見た瞬間に、小学校の頃、富野文学に親しんでいた俺としては「最初の一文から早くも何かを否定している、これは本物だ!」と(笑)。
その後、対談をするようになって、『ターンエーガンダム』のノベライゼーションのお話をいただいたんです。それでガンダムと縁ができるようになりました。次のきっかけは「ガンダムエース」で安彦(良和)さんと対談したことです。当時のガンダムエース編集長に、ギャグ短編の企画を持って行きました。すると「ちゃんとやってほしい」と言われたんです。つまりそれはアニメーションになって、プラモデルなどの商品も展開できる「プロジェクトとしてやれるもの」と俺は受けとったわけです。さらにサンライズの方とも相談しながらと進めていくうちにだんだん大きくなっていきました。

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《animeanime》
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