アニメ制作の下請適正取引ガイドライン 新たに消費税転嫁対策を盛り込む | アニメ!アニメ!

アニメ制作の下請適正取引ガイドライン 新たに消費税転嫁対策を盛り込む

経済産業省は、アニメ業界の下請取引が円滑に進むための対策に乗り出している。2013年4月に制定した「アニメーション制作業界における下請適正取引ガイトライン」を改訂した。

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2014年4月1日より、消費税率が従来の5%から8%に引き上げられた。さらに2015年10月1日には10%までの引き上げを予定している。この変更により、様々な商品・サービス価格の改定も行われている。
こうした価格改定の中で懸念されるのが、大企業などが消費税に伴う負担を下請企業に求めることだ。国ではこれを防ぐべく、2013年10月1日に消費税転嫁対策特別措置法を施行している。取引相手に対する消費税分の減額要求、買いたたき、利益提供の要請などの消費税転嫁拒否を禁止、また消費税転嫁を阻害する表示の是正などを盛り込む。

消費税に関する状況は、アニメ業界でも無関係でない。特にアニメ業界は、アニメ制作を発注する企業や製作委員会が大企業であり、受注するアニメ制作会社が中小企業であることが多い。
そこで経済産業省は、アニメ業界の下請取引が円滑に進むための対策に乗り出している。2013年4月に制定した「アニメーション制作業界における下請適正取引ガイドライン」を改訂し、業界取引の新たな指針を打ち出している。

ガイドラインは、もともと日本動画協会の協力により作成したもので、親事業者が遵守すべき事項がまとめられている。必ずしも広く理解されているわけでないアニメ業界の取引の注意事項などを記載する。ガイドラインは、業界内で活用されている。
今回の改定はこれに、消費税転嫁対策特別措置法の適用範囲と禁止行為を盛り込んだ。禁止されている転嫁拒否行為には、1)減額、2)買いたたき、3)商品購入・役務利用・利益提供の要請、4)本体価格での交渉拒否、5)報復行為となる。

また、今回の消費税転嫁対策特別措置法で、買手(親事業者)と売手(下請事業者)の適用範囲が従来の下請法と異なることも注意が必要だ。
親事業者の範囲は、資本金でなく、売上高と店舗面積で決まる。前年度の売上高が100億円以上、もしくは店舗面積が政令指定都市で3000m2以上、その他で1500m2以上であると大規模小売事業者として適用されるため、これまでより多くの企業が該当する。また、売上高が100億円以上であればEC事業者も含まれる。
一方、下請事業者は、個人事業者と資本金が3億円以下の法人に加えて、大規模小売事業者に継続的に商品・サービスを供給する事業とする。これまでの下請け企業では対象とされなかったより大きな企業も含まれる。

こうした結果、アニメ制作の発注以外にも、例えばネットショップに映像パッケージや音楽CDを販売するメーカーや、量販店に雑貨や玩具を販売する玩具メーカーなどの取引も適用範囲になる。より幅広い適用で、消費税転嫁対策を進めることになる。
さらに内閣府では、消費税価格転嫁等総合相談センターを設けて、相談を受け付けている。専用ダイヤルか、公式サイトにて問い合わせ可能だ。

下請適正取引等推進のためのガイドライン
/http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/guideline.htm

消費税価格転嫁等総合相談センター
/http://www.tenkasoudan.go.jp/

電話(ナビダイヤル): 0 5 7 0 - 2 0 0 - 1 2 3
受付時間:土日祝日を除く、9時~17時
(平成26年3月・4月は土曜日も受付)
《animeanime》
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