宮崎駿監督引退 「僕の長編アニメーションの時代は終わった」 | アニメ!アニメ!

宮崎駿監督引退 「僕の長編アニメーションの時代は終わった」

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会見の会場は国内外のメディアでぎっしり
  • 会見の会場は国内外のメディアでぎっしり
  • 僕は自由だと、引退を語る
  • 宮崎駿監督
  • 鈴木敏夫プロデューサーとがっちり握手
  • 風の谷のナウシカ(1984)(C) 1984 二馬力・GH 宮崎駿監督と鈴木敏夫プロデューサーの二人三脚はこの作品から始まった
  • 千と千尋の神隠し(2001)(C) 2001 二馬力・GNDDTM 興行収入304億円は日本映画史上に燦然と輝く歴代1位
  • ハウルの動く城(2004)(C) 2004 二馬力・GNDDDT 宮崎駿監督が一番苦しんだ作品と話す 
  • 風立ちぬ(2013)(C) 2013 二馬力・GNDHDDTK 宮崎駿監督、最後の長編映画となった
日本のアニメ史に、大きな節目が訪れた。1980年代から今日まで、およそ30年にわたり日本のアニメーション史の中で大きな存在を持ってきたアニメーション監督、宮崎駿が長編映画の制作より引退する。
9月1日、イタリア・ヴェネチアでのスタジオジブリの星野康二代表取締役社長による引退発表を受け、9月6日、宮崎駿監督自身が出席する引退会見が開催された。会場になった東京・吉祥寺第一ホテルには、宮崎駿監督のほか、スタジオジブリから鈴木敏夫プロデューサー、星野康二代表取締役社長が登壇した。宮崎駿監督の知名度の高さ、世界的な人気も反映して、テレビカメラ70台、新聞・雑誌、ウェブ約200媒体、記者・撮影スタッフは600人もの巨大な記者会見となった。海外メディアの取材も多く、会見では中国、台湾、韓国、ロシアからの記者が質問する姿もみられた。

会見に先立って、「公式引退の辞(宮崎駿)」と題された文章が配布された。この中に、今回の引退を決意した監督の想いが、ほぼ込められたかたちだ。会見の大半はメディアからの質問を受け、監督と鈴木プロデューサーがそれを補完するかたちとなったが、それは1時間半にも及んだ。その様子はインターネットで中継され、生の言葉として多くのファンに伝わった。
会見は、「どうせまただろうと思われていると思います。今回は本気です」との監督の短い挨拶から始まった。こうした大きな発表の場が設けられたことについては、当初はスタジオ内だけの発表のつもりだったが、マスコミの問い合わせをひとつひとつこなすのは大変なので発表することでまとめようと思った。それがいつの間にか大きくなってしまったと説明する。

会見のなかで一環して語られたのは、監督自身の体力と時間の問題だ。監督によれば「長編映画の制作は、年を追うごとに時間がかかるようになっている。『風立ちぬ』は『崖の上のポニョ』から5年かかった」、「次を作れば7年かかる、そうなれば80歳になる」という。
人にまかせる方法は自分のやりかたでは難しい。そこで、『風立ちぬ』の完成後、引退する意思を鈴木プロデューサーに伝えたと語った。

しかし、引退というものの、今後も創作活動は続ける。むしろ、長編映画をやめることで、今後さらに自由に仕事がすることになる。宮崎監督の「僕の長編アニメーションの時代は終わった」との言葉が印象的だった。
長編映画からの引退、短編映画の予定はない、スタジオジブリの若い世代の作品には参加しない、そう説明する宮崎監督が今後まずやりたいと挙げたのは、三鷹の森ジブリ美術館の展示だった。設立から10年、美術館の展示も随分と色褪せた。そうした展示の塗り直しなどをしたいと話す。
勿論、宮崎駿監督のことだけに、それが単なるリニューアルに終わることはないだろう。自由になったとする宮崎駿が、今後どんな活躍をするのか、やはり目を離すことが出来ない。


公式引退の辞
宮崎駿

「ぼくは、あと10年は仕事をしたいと考えています。自宅と仕事場を自分で運転して往復できる間は、仕事をつづけたいのです。その目安を一応“あと10年”としました。
もっと短くなるかもしれませんが、それは寿命が決めることなので、あくまでも目安の10年です。
ぼくは長編アニメーションを作りたいと願い、作って来た人間ですが、作品と作品の間がずんずん開いていくのをどうすることもできませんでした。要するにノロマになっていくばかりでした。
“風立ちぬ”は前作から5年かかっています。次は6年か、7年か……それではスタジオがもちませんし、ぼくの70代は、というより持ち時間は使い果されてしまいます。
長編アニメーションではなくとも、やってみたいことや試したいことがいろいろあります。やらなければと思っていること――例えばジブリ美術館の展示――も課題は山ほどあります。
これ等は、ほとんどがやってもやらなくてもスタジオに迷惑のかかることではないのです。ただ家族には今までと同じような迷惑をかけることにはなりますが。
それで、スタジオジブリのプログラムから、ぼくをはずしてもらうことにしました。
ぼくは自由です。といって、日常の生活は少しも変わらず、毎日同じ道をかようでしょう。土曜日を休めるようになるのが夢ですが、そうなるかどうかは、まぁ、やってみないと判りません。
ありがとうございました。

以上
2013.9.4」
《animeanime》
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