アニメーション映画のビジネスが、世界的に拡大している。ハリウッドのメジャースタジオの中でも、アニメーション重視の方針を強めている。そのひとつに、このほどワーナー・ブラザースが加わった。2013年1月7日、ワーナー・ブラザース映画は、アニメーション映画のクリエイティブ・コンソシアームの設立を発表した。この新しい組織は、最先端のアニメーションの企画開発、プロデュースを目的とし、実績のある映画制作チームが様々なプロジェクトを統括する。スタジオが、アニメーション映画開発にこれまでよりも積極的に関わることになる。プロジェクトには『ラブ・アゲイン』のグレン・フィカーラ/ジョン・レクア監督、『ザ・マペッツ』脚本のニコラス・ストーラー、『くもりときどきミートボール』のフィル・ロード/クリストファー・ミラー監督、『空飛ぶペンギン』脚本のジャレド・スターンらも参加する。制作関係者のプロジェクトへの関わりかたは、個人やチームなどプロジェクトによりまちまちとなる。ワーナーは、排他的にならず、映画関係者によりよい組織にするという。これによりエンタテイメントの領域拡大やオリジナルプロジェクトの育成に尽くしたいとする。アニメーション映画製作の理念が高く掲げられる一方で、ビジネス的な目標も設定されている。むしろ、他のメジャースタジオに比べて出遅れ感の目立つアニメーション映画分野での巻き返し戦略であることが明確だ。ハリウッドでは、ふたつの有力アニメーションスタジオを持つディズニー、2013年よりドリームワークス・アニメーションの映画配給をする20世紀フォックスが、今後はキープレイヤーになりそうだ。一方で2012年に、ユニバーサルは『ロラックスおじさんと不思議な種』を、ソニー・ピクチャーズは『モンスター・ホテル』を大ヒットとした。一方、ワーナーは2012年に大作アニメーション映画はなく、アカデミー賞でもアニメーション部門とは無縁だ。過去を振り返っても、目立ったヒットは『ハッピーフィート』シリーズくらいである。そこでワーナーは、2014年以降にこのコンソシアームから毎年1本の長編アニメーション映画を送り出す計画だ。いずれも幅広い世代に受け入れられるオリジナル映画ともしている。他のスタジオと同様、大衆向けの大作映画となる。第1弾作品はすでに決まっている。2014年2月7日全米公開予定の『レゴ ムービー:The LEGO Movie』である。世界中でお馴染みのブロック玩具レゴを題材にフィル・ロードトクリストファー・ミラーが監督、オーストラリアのアニマル・ロジックが制作する3D映画だ。その後も、2015年にはピクサーで傑作短編『マジシャン・プレスト』を監督した:ダグ・スウィートランドによる『Storks』、2016年には『Smallfoot』を予定する。ますます激化の様相を見せるハリウッドのアニメーション映画だが、ワーナー・ブラザースがその中で一気に浮上するのか、今後の成果が注目される。
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