今年で43回目を迎える「星雲賞」の受賞作品・受賞者が、日本SFファングループ連合会議より発表された。星雲賞は前年に発表されたSF作品の中から、優れた作品を日本SF大会の参加者が投票で決定する。日本のSF関連の賞では、日本SF作家クラブが選ぶ日本SF大賞と並び知られている。
第43回は2011年の1年間(2011年1月~12月)を対象にし、北海道・夕張市で開催されている第51回日本SF大会Varicon2012の授賞式で発表された。

日本長編部門は小林泰三さんの『天獄と地国』、また日本短編部門では野尻抱介さんの『歌う潜水艦とピアピア動画』が受賞した。また、海外長編部門は『ねじまき少女』(著者:パオロ・バチガルピ、翻訳者:田中一江、金子浩)、海外短編部門は『ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル』(著者:テッド・チャン、翻訳者:大森望)が選ばれた。
星雲賞はSF小説だけでなく、SFに関連するいくつかの分野にも、特別な賞を設けている。このうちアート部門は、SFイラスト、マンガ、メカデザイン、デザインワークスなどで活躍する鷲尾直広さんに決定した。ノンフィクション部門は『吾妻ひでお〈総特集〉---美少女・SF・不条理ギャグ、そして失踪』である。

アニメファン、マンガファンにとって、特に関心が深いのは映像・演劇作品などを対象としたメディア部門、コミックを対象とするコミック部門だろう。
メディア部門は、アニメスタジオのシャフトが新房昭之監督ともに創り出した『魔法少女まどか☆マギカ』が選ばれた。投票の際には、同作のほか『宇宙人ポール』、『輪るピングドラム』、アニメ『Steins:Gate』、 『TIGER&BUNNY』、『リアル・スティール』が挙げられていたが、その中から高い支持を受けた。アニメとしては2年ぶりである。
『魔法少女まどか☆マギカ』は、2011年は文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞、アニメーション神戸賞作品賞・テレビ部門、東京アニメアワード・テレビ部門優秀作品賞なども受賞しており、作品の評価の高さをあらためてみせつけた。

コミック部門は、安彦良和さんによる『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』である。雑誌「ガンダムエース」にて連載、2011年6月に大好評のなか完結した。すでにアニメ化が発表されている。
安彦良和さん自身は1981年にアート部門で星雲賞を受賞している。しかし、「機動戦士ガンダム」に関連する作品が星雲賞を獲得するのは今回が初、ガンダム関連では2010年の自由部門の「ガンダム30周年プロジェクト Real G 実物大ガンダム立像」に続くものだ。
また、本年は自由部門は該当作無しとして選ばれなかった。

日本SFファングループ連合会議
http://www.sf-fan.gr.jp/index.html
第51回日本SF大会Varicon2012
http://www.varicon2012.jp/

■ 日本長編部門
『天獄と地国』
著者: 小林泰三  出版社: 早川書房
受賞者  小林泰三(著者)

■ 日本短編部門
『歌う潜水艦とピアピア動画』
著者: 野尻抱介  出版社: 早川書房
受賞者  野尻抱介(著者)

■ 海外長編部門
『ねじまき少女』
著者名: パオロ・バチガルピ  翻訳者: 田中一江、金子浩
出版社: 早川書房
受賞者: パオロ・バチガルピ(著者)、田中一江(翻訳者)、金子浩(翻訳者)

■ 海外短編部門
『ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル』
著者名: テッド・チャン  翻訳者: 大森望
出版社:  早川書房
受賞者: テッド・チャン(著者)、大森望(翻訳者)

■ メディア部門
『魔法少女まどか☆マギカ』
監督: 新房昭之  
アニメーション制作: 有限会社シャフト (c)Magica Quartet / Aniplex・Madoka Partners・MBS
受賞者: 新房昭之(監督)、有限会社シャフト(アニメーション制作)

■ コミック部門
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』
著者名: 安彦良和  出版社: 角川書店
受賞者: 安彦良和(著者)

■ アート部門
鷲尾直広

■ ノンフィクション部門
『吾妻ひでお〈総特集〉---美少女・SF・不条理ギャグ、そして失踪』
編集: 河出書房新社  出版社: 河出書房新社 (文藝別冊)ムック
受賞者:  河出書房新社(編集)

■ 自由部門
該当作無し《animeanime》