マンガ読みが選ぶマンガ大賞の受賞作品が、3月23日に発表された。事前に候補とされた16作品の中から選考委員が投票により、76ポイントを集めた荒川弘さんの『銀の匙』が大賞に決定した。 『銀の匙』は、デビュー作『鋼の錬金術師』で大ヒットを飛ばした荒川弘さんの新たな意欲作である。2011年から「週刊少年サンデー」(小学館)で連載をしている。 作品の舞台は北海道の農業高校、農業を題材に青春コメディを繰り広げる。荒川弘さんの表現の幅に広さを感じさせる。それが今回の受賞につながったとも言えそうだ。 マンガ大賞は2008年にスタートした。マンガを対象にした賞では比較的歴史の新しい賞で、マンガの読み手が選ぶ賞というコンセプトを打ち出したことで話題を呼んでいる。 歴代受賞作品は、第1回『岳』(石塚真一)、第2回『ちはやふる』(末次由紀)、第3回『テルマエ・ロマエ』(ヤマザキマリ)、第4回『3月のライオン』(羽海野チカ)である。大賞受賞後、話題になる作品が多い。その選考の確かさもあり、短期間で重要なマンガ賞のひとつとして注目されるようになった。 受賞した作家陣からの信頼も厚い。3月23日の授賞式にも、ヤマザキマリさん、末次由紀さんらが祝福にかけつけたほどだ。 話題作の先取りといった賞の性格は、選考対象が単行本8巻以下という基準にも由来する。もともとまだ知られていない作品を、世に送り出したとの考えがあるからだ。 多くの賞では大賞、グランプリが注目されがちだ。しかし、こうした点ではマンガ大賞では2位以下、最終審査に残った全てが要注目だ。どれもが今後、さらに注目されていく作品と言っていいだろう。マンガ大賞2012 /http://www.mangataisho.com/■ 大賞『銀の匙』 荒川弘 76ポイント2位 『大東京トイボックス』 うめ 61ポイント3位 『信長協奏曲』 石井あゆみ 57ポイント4位 『昭和元禄 落語心中』 雲田はるこ 49ポイント5位 『25時のバカンス 市川春子作品集Ⅱ』 市川春子 46ポイント6位 『ドリフターズ』 平野耕太 43ポイント7位 『グラゼニ』 森高夕次・アダチケイジ 41ポイント8位 『アイアムアヒーロー』 花沢健吾 40ポイント9位 (得票同数、2作品)『外天楼』 石黒正数 37ポイント『高杉さん家のおべんとう』 柳原 望 37ポイント11位 『日々ロック』 榎屋克優 32ポイント12位 『惡の華』 押見修造 28ポイント13位 『四月は君の嘘』 新川直司 27ポイント14位 『鬼灯の冷徹』 江口夏実 24ポイント15位 『となりの関くん』 森繁拓真 12ポイント
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