バスカッシュ!とカウボーイビバップ TIFFCOMがアニメビジネスセミナー | アニメ!アニメ!

バスカッシュ!とカウボーイビバップ TIFFCOMがアニメビジネスセミナー

 3月19日、東京国際アニメフェア(TAF)2009の会場で、海外とコラボレーションするアニメビジネスをテーマにしたシンポジウム「『バスカッシュ!』と『カウボーイビバップ』にみる 海外コラボビジネスモデル」が開催された。
 このシンポジウムは、秋に東京・六本

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 3月19日、東京国際アニメフェア(TAF)2009の会場で、海外とコラボレーションするアニメビジネスをテーマにしたシンポジウム「『バスカッシュ!』と『カウボーイビバップ』にみる 海外コラボビジネスモデル」が開催された。
 このシンポジウムは、秋に東京・六本木ヒルズで開催される東京国際映画祭の併設コンテンツマーケットTIFFCOMが主催するものである。同じ映像コンテンツを取り扱う見本市として、アニメに特化した国内最大のビジネスショーであるTAFと連携したものである。TIFFCOMがTAFでセミナーを開催するのは、今回が初めてになる。またシンポジウムは、海外に向けて日本のコンテンツを発信するTFFCOMらしい、海外とのコラボレーションビジネスが選ばれた。

 今回は、数ある海外とのコラボレーションの中で特に注目の高い2つの作品『バスカッシュ!』と『カウボーイビバップ』を取り上げた。そしてシンポジウムのゲストには、『バスカッシュ!』の原作、監督、メカデザインを務める河森正治さん、原作、メカコンセプトデザイン、美術監督のロマン・トマさん、そして『カウボーイビバップ』を製作したサンライズの内田健二代表取締役社長が登壇した。
 『バスカッシュ!』は日本のアニメ制作の中で、原作や美術監督を含めた主要な部分でフランス人のクリエイターが深く関わっている新しいコラボレーションに注目したものである。また、『カウボーイビバップ』は、世界的な人気アニメをハリウッドの大物俳優キアヌ・リーブス主演で実写化という大きな企画の展開がトピックスとされた。

 『バスカッシュ!』の原作が共同原作になっていることについて河森氏は、もともとこの企画がロマン・トマ氏により持ち込まれたことから話を始めた。ただ、そこからバスケものだけでは日本では難しい、ロボットにバスケをさせるというアイディアに育て上げた。まさに、共同作業から生れた作品である。
 ロマン・トマ氏は自分をはじめ多くのフランス人が、『バスカッシュ!』の制作に参加することについて、フランスではアニメーションというと子供向けの作品が多いことを挙げた。フランス人の優秀なアニメーションのクリエイターには、『バスカッシュ!』のような作品を作ることに喜びがあるのだという。

 また、河森氏は敢えてフランスチームと仕事をすることについて、今までと違うことをやりたいためと話した。そのうえで、フランスチームは優秀なだけでなく、日本のアニメの現場よりアニメを作ることに熱心でアグレッシブでないかと言う。
 日本とフランス、お互いに自分たちに欠けているものを探すことで、この『バスカッシュ!』が実現したと言えそうだ。番組は4月からテレビ放送を開始する。

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写真は『バスカッシュ!』を紹介する東京国際アニメフェア2009 サテライトブース

 一方、内田社長は、ファンや業界関係者から関心を集めている実写映画化許諾の契約から話を始めた。内田社長によれば、これまで日本の会社が結んだ日本アニメ・マンガのリメイク化権許諾のなかでは、非常によい条件でないかという。また、映画化にあたり多くのファンが心配する原作がきちんと活かされるかについても、同社が明確な戦略を持っていることを明らかにした。
 しかし、実写映画化にあたってサンライズは監修権を持っているが、最終的な判断を行う承諾権は持っていない。内田社長は、これは敢えて承諾権は取らなかったと語る。もともとサンライズは、マンガ原作などをアニメ化することが多い。そうした立場から原作者が承諾権を持つとビジネスはなかなか難しいことが分かっている、逆の立場になった時に、自分たちがそれを要求することは出来ないというわけである。

 その一方で、信頼できるパートナーを選ぶことで、きちんとした映画が実現すること保証した。今回の実写化映画の許諾には、『コンスタンチン』などに代表されるサブカルチャー作品の実写化映画の第一人者であり続けたいというキアヌ・リーブスの熱意があった。
 そして、そのキアヌを中心に、3アーツエンタテインメント、20世紀フォックスなどが参加することで、A級の俳優、A級のプロデューサー、A級の映画会社による大型映画になると見極めがついたことが実写映画化許諾につながったという。
 それでも内田社長は、いまはまだ脚本段階、ハリウッドでは脚本の仕上がりが理由で制作に入れない作品もあると指摘する。しかし、このまま制作に進むことが出来れば、『カウボーイビバップ』がA級スタッフによるビッグムービーとして登場することは間違いなさそうだ。

TIFFCOM 2009 /http://www.tiffcom.jp/2009/
東京国際アニメフェア2009 /http://www.tokyoanime.jp/

『バスカッシュ』 公式サイト /http://basquash.com/
サンライズ /http://www.sunrise-inc.co.jp/
《animeanime》
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