SF大会「電脳コイルを語ろう」 レポート ゲスト大絶賛 | アニメ!アニメ!

SF大会「電脳コイルを語ろう」 レポート ゲスト大絶賛

イベント・レポート

 9月1日、パシフィコ横浜で開催された世界SF大会/日本SF大会で、徳間書店主催の企画シンポジウム「電脳コイルを語ろう!」が開催された。
 徳間書店のプロデーュサー大野修一氏を司会に、特撮・アニメ評論の第一人者池田憲章氏、SF作家山本弘氏、漫画家五十嵐浩一氏さんが、『電脳コイル』の魅力を語るものだ。

 シンポジウムを通して印象的だったのは、ゲスト3人のこの作品に対する思い入れの強さである。もともと企画は作品の魅力を語るという趣旨だが、そうした趣旨を大きく超えてゲストの3人が心からこの作品を愛していることが強く伝わって来た。
 そうした3人が作品を語るのだからシンポジウムが面白くないわけがない。話題は物語の緻密さや、キャラクターデザインの魅力、何気ない地方都市でサイバーパンクが繰り広げられる点など、数え切れないほど様々な場所に及んだ。

deno-coil.JPG 特に印象に残ったのは、池田氏が『電脳コイル』の作画について語った部分である。『電脳コイル』は作画の凄さが語られることが多い。しかし、池田氏は『電脳コイル』はストリーテラーな作品、作画が先にあるのでなく、物語が先にありその物語を示すための作画の動きとなっていると語る。物語と作画の依存関係も作品の魅力というわけである。
 また監督の磯光男氏については、これまで凄腕のアニメーターとしては聞いていたが、こうした物語を創作出来るとは想像していなかった。まだまだ様々な企画を抱えているはず、今後の作品が楽しみとしていた。
 もともと池田氏は作品の魅力を語り作品を観たいという気持ちにさせる話術に巧みなのだが、今回のシンポジウムはさらに拍車をかけた感じであった。

 企画ではゲスト3方の選んだ名場面も選ばれており、それぞれが印象深いシーンである。池田氏が選んだ場面は、第1話のオヤジの登場シーン。釣竿を使って電脳空間からオヤジを釣り上げる場面である。
 また五十嵐氏は既に一部で話題騒然となったヒゲ型イリーガルの文明の興亡、山本氏はイサコと悪がきの学校内での電脳バトルシーンだ。どれもテレビでも一度観てすっかり楽しんだはずなのに、こうした他の人の思いと伴にもう一度観るとまた別の見方や思いが湧きあがる。
 同じ作品で、もう一回楽しめる経験となった。何度でも作品が楽しめるのは作品の持つ力でもあるが、大勢の人と思いを分かち合えるSF大会という空間にも理由がある。そうした場が提供されるSF大会の重要性が感じさせられるシンポジウムであった。

 最後に池田憲章氏が、いい作品は視聴者がもっともっと褒めなくてはいけないし、観客がサポートしなければいけないと述べたのが印象的であった。
 「あとから評価されるだけでは意味がない、現在進行形で評価される必要がある。インターネットで意見しているだけでなく、テレビ局や新聞に投稿するぐらいのことが必要だ」と力強い言葉と伴にシンポジウムは締めくくられた。

電脳コイル公式サイト
/http://www.tokuma.co.jp/coil/

第65回世界SF大会/第46回日本SF大会 Nippon2007公式サイト 
/http://www.nippon2007.org/
《animeanime》
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