ドイツの日本マンガ市場 JETROが報告書 | アニメ!アニメ!

ドイツの日本マンガ市場 JETROが報告書

レビュー 書評

 アニメやマンガ、映画など様々なコンテンツの海外市場について調査をしている日本貿易振興機構が、新たな調査報告書として『ドイツにおける日本マンガ市場の実態』を公開している。
 レポートは20ページあまりの小レポートながら、ドイツのマンガ市場の市場規模から始まり、主要出版社や人気作品、翻訳されているマンガのリストなど充実した内容になっている。

 ドイツに限らずヨーロッパのアニメやマンガ市場は、国別、言語別に市場が細かく分かれていることから意外に把握されていない。特に、各市場の規模や個別の会社実態や規模については、ほとんど曖昧な状態と言える。
 そうした数字の曖昧さは、今回の調査レポートにおいても現れている。例えば日本貿易振興機構は、ドイツのマンガ市場を推計にするデータに乏しい市場としている。

 しかし、そうした市場規模や市場構造の曖昧な市場だからこそ今回の調査で得られた情報は貴重なものだといえる。調査レポートでは、このドイツのマンガ市場の規模を5000万ユーロ(約75億円)から7000万ユーロ(約105億円)を市場関係者の推定と示している。
 JETROはまた、フランスの日本マンガ市場を、8750万ユーロ(約131億円)と推定している。

 つまり、ヨーロッパの日本マンガ市場は、フランスとドイツの両方で206億円から236億円になる。これは、2005年に初めて200億円を超えたとされる米国のマンガ市場と同じかそれを超える規模になる。
 イタリアやスペイン、北欧などの市場も加えると日本マンガの国外最大の市場は北米ではなく、西ヨーロッパである。

 このほか調査レポートで興味深いのは、ドイツ市場におけるマンガ出版社別のシェアである。2大出版社とされているカールセン(シェア41%)とエグモント・エハパ(シェア38%)の存在が数字の上でも確認出来る。
 また、2005年の売れ筋マンガベスト10、1位『名探偵コナン』、2位『満月を探して』、3位『ONE PIECE』も貴重な資料であるとともに、トレビア的にも面白い情報である。

 こうした情報は出版社の国際部や現地の業界関係者にとっては常識かもしれない。しかし、一部のウェッブサイトや出版専門誌を除けば、これまでほとんど公開されたことはない情報である。
 また、系統だってまとめられたことは、おそらく初めてである。ビジネスにおいても、あるいは海外のマンガ文化の調査においても貴重な基礎資料といえる。

 今回の調査はJETROの行うものでは、米国のアニメ市場、中国のアニメ市場、フランスのアニメ・マンガ市場に続くものある。これらの調査レポートを合わせて読むことで、北米、ヨーロッパ、東アジアという日本コンテンツの世界3大市場の状況を理解出来る。
 また、海外における日本のアニメ・マンガの状況を多角的に知ることも可能になるであろう。

レポートはJETROの公式サイトからダウンロード出来ます。
/日本貿易振興機構 
/ドイツにおける日本マンガ市場の実態(輸出促進調査シリーズ) 2006年3月
     I. ドイツのマンガ市場を推計する -データの乏しい市場-
     II.ドイツのマンガ出版社
    III.ドイツにおけるマンガの流通
    IV.ドイツの人気のマンガとは
    V. 独仏のマンガ翻訳作品を比較する
    VI.「日本で人気のマンガ」が必ずしも売れるわけではない

/フランスにおける日本アニメを中心とするコンテンツの浸透状況 (輸出促進調査シリーズ) 2005年3月
/中国アニメ市場調査(輸出促進調査シリーズ) 2005年6月    
/米国アニメ市場の実態と展望(輸出促進調査シリーズ)2006年3月 
《animeanime》
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