CGアニメコンテストで2Dアニメを再発見(5/3) | アニメ!アニメ!

CGアニメコンテストで2Dアニメを再発見(5/3)

イベント・レポート

 5月3日に東京・中野で行われた第18回CGアニメコンテストの入賞作品上映会に行って来た。CGアニメコンテストのようなインディペンデントのアニメ作品を対象にしたコンテストは、一般にはアマチャアの大会とイメージしがちだ。しかし、実際にはかなり趣が違う。
 勿論、アマチュアのアニメ制作も多いのだが、むしろ既にアニメーションやその関連企業で働くクリエーターの企業の枠を超えた創作活動の産物という面が強い。当然ながら出てくる作品のレベルは、非常に高い。

 ここでは商業作品の枠から外れることで、クリエーターの創作活動への野心が先鋭化するといった点が興味深い。つまり、自由に作ることで、最先端のクリエーターが、いま、何を作りたがっているのか、時代をどう捉えるのが現れるように思える。
 また、そうした自由であるはずの作品が商業作品へ大きなインパクトを与えて、商業サイドへリバウンドして行くのも最近の特徴である。

 そうした視点で今回のCGアニメコンテストを見て一番感じたのは、「2Dアニメーション未だ健在」である。それは2Dアニメがまだ生き残っているというのではなく、これからの時代も主役であり続けるというものだ。
 多くのクリエーターが、2Dアニメーションを用いて将来を見据えた作品を制作していたからだ。

 これは、近年の企業サイドの認識とだいぶ異なる。欧米のアニメーションの世界は、劇場アニメーションだけでなく、テレビアニメーションについても3DCGの流れが強まっている。セルアニメーションの延長上にある2Dアニメーションは風前の灯である。
 日本でもまた、昨年から今年にかけて資本力のある企業を中心にフル3Dアニメーション進出に意欲を見せるケースが増えている。時代はあたかも3DCGに変わりつつあるかのようだ。ところが、クリエイティブの最前線では、2Dは全く古くなっていないのだ。

 勿論、コンテストには3D作品も存在する。しかし、3DCGのアニメーションはどちらかと言えば、映像の驚きや素晴らしさに力点を置く傾向がある。一方で、2Dアニメーションは、物語の力やコンセプトの驚き、魅力で引っ張る作品が多い。両者は作品づくりの動機といったところで、かなり住み分けている。
 例えばスタジオポプリによる『反重力ブーツで学校に行こう』や西あすかの『春』は、作画的には商業アニメーションの強い影響を感じさせながらも物語のうまさで作品をまとめあげていた。青木純の『将棋アワー』の魅力は、映像以上に一発芸的なアイディアの巧みさにある。
 一方、3DCGで制作された杉浦裕次郎の『クロと僕とダンス』や児玉徹郎の『FLY』の魅力は、その映像の構成や動きであり、映像そのものにある。

 韓国から出品され作品賞を受賞したチョン・ヒョンユウンの『パパが必要なの』が、2Dアニメーションであることも2Dアニメーション健在を際立てさせた。2Dアニメーションの表現方法が、日本だけでなく他国でも継承され残って行く可能性を見出せるからだ。
 そして、映像賞のメテオール『モンスターブーツ』やグラフィック賞の丸山薫『吉野の姫』、佳作であった吉田暁『花の翳』、入地有海『魔法の椅子』といった作品群は、2Dの映像が全く古くなっていないことを示す同時に、2Dアニメの持つ物語の面白さを実現させていた。
(敬称略)

/第18回CGアニメコンテスト 
《animeanime》
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