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オタクグッズとオークション

 世間でオタクと呼ばれる人の全てがコレクターとイコールとは言い切れないが、熱心なコレクターである率は高いように思える。少し周りを見渡しても、フィギアやDVD、マンガなど多かれ少なかれコレクションらしきことをしているファンは多い。
 そんなコレクターがコレ

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 世間でオタクと呼ばれる人の全てがコレクターとイコールとは言い切れないが、熱心なコレクターである率は高いように思える。少し周りを見渡しても、フィギアやDVD、マンガなど多かれ少なかれコレクションらしきことをしているファンは多い。
 そんなコレクターがコレクションを充実させる時に利用するのがネットオークションである。もともと、ネットオークションはコレクターとの親和性が高い。例えば、世界最大のネットオークションの米国イーベイの始まりも、創業者がペッツのコレクターで、そのトレードの効率的な方法を考えてのものだった。
 日本でも当初よく判らない、危険、怖いというイメージの強かったネットオークションで盛んに取引を試みたのはコレクター達であった。彼らは、欲しいものを手に入れるためなら多少の危険は顧みないからだ。そんなわけで初期のネットオークションは、今より遥かにオタク色が強かった。
 そんなオタクコレクターの高額落札の実態の一部が、ネットオークション情報を集めたサイトである「オークション情報」のYAHOO!高額売買の記録から見て取れるので紹介してみたい。

最高落札価格はパーマンソフビ3点セット?
 オークション情報の過去の高額落札記録によると、オタク関連グッズで2001年以降の最高落札価格商品は「パーマンソフビ3点セット」2003年5月2,713,000円である。リストで見る限りこれがマニア系の商品では最高金額である。やはりソフビは、高額マニア商品の定番のようだ。
 しかし、これが絶対一番かと言うと多少の疑問が残る。実はオークション情報の高額落札記録には、古い落札結果でフォローされていない情報が数多く見られるからだ。例えば、筆者の記憶には「未来少年コナンセル画セット」の200万円以上、「機動戦士ガンダムのシャアのセル画1点」120万円といった高額落札があるのだがリストには見られない。現時点で確認出来る、最高落札価格ぐらいと考えておいたほうが良さそうだ。

『CLAMPイラスト入りサイン色紙「ツバサ」』事件
 セットものでない1点ものの最高落札価格をみると、先月、高額落札価格としてネット上でも話題を呼んだチャリティーオークション「CLAMPイラスト入りサイン色紙「ツバサ」」がある。記録は2005年8月の落札で金額は200万3千円である。しかし、あらためてこのオークションの記録を辿ってみると、なんと現在は最終落札価格が55万3千円に訂正されている。
 どうやら高額入札者の相次ぐキャンセルによって、最終的に落札価格が当初の1/4近くにまで下がってしまったらしいのだ。ネットオークションの危険な部分がまさに現れてしまったかたちだ。最終価格55万3千円は、一般的に考えれば充分な高値ではある。しかし、200万円でなく55万円であったら入札しておけば良かったと思っているCLAMPファンもきっといるだろう。

『ナースkokoちゃん』村上隆xBOMExGQ
 さらにその次に来るのは2005年9月落札の村上隆の現代アート作品「ナースkokoちゃん世界限定5体」120万3千円である。現代美術家村上隆のアニメ的なフィギアで、モデルが佐藤江梨子、海洋堂制作と極めてオタク的な商品である。
 しかし、これがアートなのかコレクションアイティムなのか、はたまた投資のためのグッズなのかはよく判らない。確かなのはこの作品の購入価格は84万円なので、出品者は商品を手に入れてわずか一ヶ月の転売で30万円以上の利益を手に入れたことである。

ソフビ?コスチューム?超合金?
 100万円前後になると落札記録も続出する。どうやら、100万円というのは多くのコレクターがどうしても欲しいコレクションに払っていいと思える限界点のようだ。その中には「ウルトラマンガイア コスチューム」(2003年8月115万2千円)、「デビルマン スタンダードサイズ ソフビ 正規品 マルサンブルマークタイプ」(108万3千円)、「超合金キカイダーサイドマシーン」(105万1千円)、「1954年『ゴジラ』初版パンフレット」(101万4千円)といったものがある。落札商品の幅も随分と広がって来る感じだ。

綿の国星 チビ猫ビスクドール
 先日、ファンの熱心な要望で再販の決まった「綿の国星 チビ猫ビスクドール」は、昨年の12月に初販のドールが87万9千円で落札されている。この人形、21年前の発売当初は価格2万円、限定400体だったから大出世と言っていいだろう。
 再販されるビスクドールは限定500体、47,250円と数も値段も程よい感じで、今までどうしても欲しかった人には有り難い企画である。しかし、再販の決定は旧作タイプのオークションでの取引価格にも影響してくるに違いない。

 こうして高額落札商品をみると古いもの、限定品、通常は販売されていないものと、当たり前ながら手に入り難いものが並んでいる。そして、手に入り難いからこそ、またオタクコレクター心も熱く燃えるのだろう。

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《animeanime》
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