ライセンシング アジア2004 :レポート2

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『中国ライセンスビジネス進出のポイント』
 9月30日(木)に今注目を浴びている中国市場をテーマに『中国ライセンスビジネス進出のポイント』と題されたセミナーがライセンシング アジア2004にて行われた。講演者はバンダイ中国事業拓展部ゼネラルマネジャーの猪瀬修平氏と『クレヨンしんちゃん』を中心に中国キャラクタービジネスで実績をあげているムーランプロモーション国際事業本部本部長三田敬氏の二方である。

 猪瀬氏の講演は、バンダイの中国におけるキャラクタービジネスの現状を豊富な実例と経験を交えたものである。まず、中国政府がキャラクター産業に対して国家的に力を入れており、それが放送産業に及ぼしている影響について述べた。中国政府は、コンテンツ産業に様々な支援を行う一方、国内産業保護のためアニメ放送のうち外国アニメの枠を全放映枠の4割以下、さらにそのうち日本作品を半分以下に規制しているとのことである。
 また、新規のアニメ作品の放映が政府の許可制に変わり、日本アニメのTV放映は極めて難しくなって来ている現状を説明した。特にこれはメディアとのタイアップ戦略を取るバンダイにとっては厳しい傾向であるとのことであった。それでも、日本アニメは高い人気を誇っておりビジネスのチャンスはあるということだ。
 また、中国ビジネスについて、しばしば問題になるニセモノに対しては、ニセモノは日本製品に較べて圧倒的な価格競争力を持っており、しかも近年では品質面も高くなっていると述べた。中国市場のニセモノはDVDで8元(約100円)相当、CDで4~5元(約60円)などの例が引き合いに出された。
 このあとの三田氏も指摘されたが、ニセモノ対策の一番効果的な方法は、本物の商品を海賊版が出回る前に発売すること、正規商品が海賊版に対して競争力を持てる価格設定にしなければいけないという2点であった。インターネットなどを通じて若者文化が同時進行している現状では、海賊版に市場を取られる前に本物で市場を取る必要は不可欠である。また、価格設定については、いい悪いは別問題として海賊版の価格が中国市場のスタンダードになっている現状では、それに対抗する必要があるとのことだ。また、競争力のある価格の実現のためには現地で製造を行う生産の現地化が求められると指摘した。
 
 また、三田氏は中国市場でも極めて人気の高い『クレヨンしんちゃん』のプロモーションを中心に、中国のコンテンツマーケットにいかに参入するかの説明をした。
 豊富な経験の中から中国における政府の重要性について述べた。特に、中国政府がここ数年でキャラクタービジネスの育成を強く打ち出していること、そのノウハウ吸収のため様々なビジネスイベントが開催されていることなどの最近の傾向を解説した。また、ここ最近の市場の特徴として韓国企業が競合相手として急激にその存在感を高めていると指摘した。海賊版対策については、現実的な価格設定と正規版だから出来ることを打ち出す必要性があるとのことだった。

 多くの企業が急激に成長している中国ビジネスを巨大市場として注目している。一方で、何が起こるか判らない国、権利の守られていない国とのイメージもある。両氏は、予想されるようなトラブルはあるが、それは、信頼関係の構築やビジネスのやりかたで越えられるということを強調していた。
 中国ビジネスについては、リスクを取りながらも参入すべき市場なのであろう。それが、国際的に流通する海賊商品を阻止する最も効率的な方法でもあるとの印象を受けた。

/ライセンシング アジア2004 
/バンダイ 
《animeanime》

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