加藤久仁生・地元の鹿児島へ凱旋 アカデミー賞受賞記念舞台挨拶 | アニメ!アニメ!

加藤久仁生・地元の鹿児島へ凱旋 アカデミー賞受賞記念舞台挨拶

 3月8日、鹿児島のTOHOシネマズ与次郎にて加藤久仁生氏の舞台挨拶が行われた。この舞台挨拶は、加藤氏の『つみきのいえ』が第81回アカデミー賞の短編アニメーション部門で受賞したことを記念した凱旋上映に合わせたものである。
 舞台挨拶は前日に六本木ヒルズでも催

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 3月8日、鹿児島のTOHOシネマズ与次郎にて加藤久仁生氏の舞台挨拶が行われた。この舞台挨拶は、加藤氏の『つみきのいえ』が第81回アカデミー賞の短編アニメーション部門で受賞したことを記念した凱旋上映に合わせたものである。
 舞台挨拶は前日に六本木ヒルズでも催されていた。しかし加藤氏はその疲れを見せず、終始なごやかに地元ならではのお国なまりを交えつつ、アカデミー賞受賞式の現地の様子などに触れた。

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 初回の挨拶では、小学校時代からの付き合いで、高校時代にバンド仲間でもあった友人から花束が渡された。
 そして森博幸鹿児島市長からは、芸術文化栄誉賞が授与された。この賞はアカデミー賞で受賞したことを機に、市が新設したものである。森市長は贈呈にあたり「アカデミー賞の日本人初の受賞は、加藤監督のみならず、鹿児島市民60万人の大変な栄誉と喜びで、感動と夢を与えて頂いた業績である」と祝辞を送った。

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 舞台挨拶は各回上映を挟んで計5回行われ、2回目以降は観客からの質問も受けている。どれくらいの期間とスタッフで制作されたのかについて、加藤氏は「企画から1年、実作業が8ヶ月、スタッフは15人」だと答えた。
 制作の苦労については、「今までは気の合う仲間2、3人だったので、最初は今回一緒になる人と自分の持つイメージを共有するためにコミュニケーションをとるのが難しかった」と語った。この辺りは、第12回文化庁メディア芸術祭のアニメーション部門受賞者シンポジウムでも述べられている。

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 また、高校時代に組んでいたバンドでボーカリストだった友人から、帰国後の記者会見で次回はハードロックな作品にすると話していたように思うと訊かれた。
 加藤氏はその際に「『つみきのいえ』と作風が噛み合わないと言われたけど、いつもハードロックばかり聴いてるわけじゃない」とコメントしていた。これを踏まえ、「次は自分のバンド仲間のこともネタにしながらユーモアを交えて笑えるような作品にしたい」と半ば冗談を込めて返した。
 各回の終了時に「アニメーションに限らず、実写も含めて短編作品を大きなスクリーンで観る機会はなかなかないんですけど、劇場でこのように上映されることを嬉しく思っています」と加藤氏は締めくくっている。最後の回では幼稚園の先生たちが来場して横断幕を掲げており、そちらからも花束がプレゼントされた。

 またロビーではこの日に限り、『つみきのいえ』の原画も展示され、来場者の関心を集めていた。文字通り故郷に錦を飾った加藤氏。今月11日には、文化庁の国際芸術部門における文化庁長官表彰が行われる。
【真狩祐志】

つみきのいえ / http://www.robot.co.jp/tsumiki/

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