多彩なアニメーション作品が集結 デジタルコンテンツエキスポ | アニメ!アニメ!

多彩なアニメーション作品が集結 デジタルコンテンツエキスポ

 10月23日から26日まで、日本科学未来館をメイン会場としてデジタルコンテンツエキスポが開催された。
 デジタルコンテンツエキスポは、昨年より始まったJAPAN国際コンテンツフェスティバル(コ・フェスタ)の1イベントとして今年初開催されたイベントである。

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 10月23日から26日まで、日本科学未来館をメイン会場としてデジタルコンテンツエキスポが開催された。
 デジタルコンテンツエキスポは、昨年より始まったJAPAN国際コンテンツフェスティバル(コ・フェスタ)の1イベントとして今年初開催されたイベントである。

 アニメーション関連の展示や上映・シンポジウムなどは、2006年まで主に横浜で開催されていたASIAGRAPHの担当となっている。ASIAGRAPHは、昨年コ・フェスタの1イベントとなり秋葉原UDXで行われ、今年はデジタルコンテンツエキスポの1カテゴリーとなった。
 またASIAGRAPHではアニメーション作品を公募しており、今年はASEAN+3として中国や韓国など、アジアからも作品が寄せられている。国内作品には現在YouTubeで再生数が6万を越えている『なまものおじさん』も選ばれていた。

korea2.jpg 会期中の展示やシンポジウムでは3D作品が多めだが、最終日の10月26日は2D作品が目立った。
 その26日の12時からは、ASIAGRAPHの喜多見康氏、コミックス・ウェーブ・フィルムの角南一城氏、チャン・ヒュンユン氏による「『ウルフ・ダディ』韓国アニメの旗手チャン・ヒュンユン」が行われた。
 2006年の第11回広島国際アニメーションフェスティバルでヒロシマ賞などを受賞したチャン氏の『ウルフ・ダディ』は、今年コミックス・ウェーブ・フィルムからDVDが発売されている。
 会場では『レター』や『ウルフ・ダディ』のほか、最新作となる『わたしのコーヒー・サムライ』の予告編も紹介された。これは昨年『武林一剣の私生活』として完成していた作品であるが、来年国内向けのタイトル『わたしのコーヒー・サムライ』として、同じくコミックス・ウェーブ・フィルムからのリリースが決定している。

14時からはアニメーション作家のルンパロ氏と編集家の竹熊健太郎氏による「フラッシュアニメ台頭後のクリエイター事情・個人制作作品から見える新たなチャンネル」が行われた。
 FlashとAfter Effectsの併用が増えつつあるぴろぴと氏の“呪いの動画”『username:666』、主要キャラクター以外は実写というウサギ王の“社会派アニメ”『チョップスティック第2話』、GifからAfter Effectsへ移行したのすふぇらとぅ氏の『海からの使者・後編(工事中)』、そして制作工程の殆どがアナログという伊勢田勝行氏の『浅瀬でランデブー』ダイジェストといった個性的な作品だらけだ。

take-rum1.jpg  この2つのセッションを比較すると、長きに渡って通底する問題も浮かび上がる。チャン氏は専門的に学ぶために大学へ進学しているが、その前にアニメーション制作とは関係のない大学に在籍していた。 
 また、ぴろぴと氏とウサギ王は業務として作品制作も受注しているものの、のすふぇらとぅ氏と伊勢田氏は趣味である。特にのすふぇらとぅ氏の作品は、2005年に大阪で行われたJAWACONに出品していた作品の後編で、“工事中”とあるところからも察する事が出来る。

 つまり、個人レベルでオリジナル作品を制作して一般流通に載せることの出来るケースが増えてきた一方で、今までのように本職に出来るのか、本職にすべきなのかという問題が相変わらず存在しているということだ。
 制作人数が少なくても矢継ぎ早に出せるテイストの作品はごく限られており、それなりのクオリティを維持しようと思うなら制作費がかかってしまうからでもある。逆に言うと、本職にするかしないか、商品化するかしないかに関わらず、作品を見てもらいやすい状況が生じた恩恵もある。現にぴろぴと氏の『username:666』は、YouTubeで再生数が80万を越えている。

 このほかにも、13時からはCGアニメーションシアター特別上映として、『テユベスクの歌』が第4回吉祥寺アニメーション映画祭にノミネートしていた安藤238氏の案内によるアウター・オーダー・イノベーターも行われた。こちらではイサイシズカ氏の『めぐりあう世界』などが紹介されている。
 また、こちらも今年からデジタルコンテンツエキスポの1カテゴリーとなったデジタルアートフェスティバル東京2008では、15時から『ROBOT Animation Studio CAGE 上映&トークショウ』が行われた。 
 ROBOT Animation Studio CAGEに所属する加藤久仁生氏らが参加し、『つみきのいえ』などが上映されている。加藤氏の『つみきのいえ』は、今年のアヌシー国際アニメーションフェスティバルでグランプリ「クリスタル賞」や第12回広島国際アニメーションフェスティバルでヒロシマ賞などを受賞している作品である。『つみきのいえ』は10月24日にDVDが発売されている。
【真狩祐志】

DIGITAL CONTENT EXPO /http://www.dcexpo.jp/

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