TGS2008 業界トップが語ったグローバル戦略 | アニメ!アニメ!

TGS2008 業界トップが語ったグローバル戦略

 10月9日、東京ゲームショウ2008の基調講演のひとつ『業界トップが語る グローバル時代におけるトップメーカーの戦略と展望』は、ゲームソフト開発の大手企業の経営者が揃ったことで注目を浴びた。
 カプコンの辻本春弘代表取締役社長、スクウェア・エニックスの和田

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 10月9日、東京ゲームショウ2008の基調講演のひとつ『業界トップが語る グローバル時代におけるトップメーカーの戦略と展望』は、ゲームソフト開発の大手企業の経営者が揃ったことで注目を浴びた。
 カプコンの辻本春弘代表取締役社長、スクウェア・エニックスの和田洋一代表取締役社長、バンダイナムコゲームスの鵜ノ澤伸代表取締役副社長である。3人は大手企業の経営者というだけでなく、いずれも近年海外市場の重視姿勢を強めているだけに、海外に向けた情報発信がテーマでもある東京ゲームショウに相応しいものである。
 実際に、講演のテーマにも「グローバル時代」が掲げられ、講演は三者三様の世界市場の見方、戦略が語られる興味深いものとなった。

 まず、スクウェア・エニックスの和田氏が、自社のグローバル戦略を山に例えれば、1合目か2合目と述べた。
 これに対して鵜ノ澤氏が控えめ過ぎるのでは?と振ると、和田氏からはスクウェア・エニックスには、日本以上海外で売れた作品タイトルは未だ1作品もなく、同社がドメステックな企業であることを説明した。

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 そのバンダイナムコには、日本で18万本のみの出荷本数だが、ワールドワイドでは220万本出荷した『ソウルキャリバー』がある。しかし、鵜ノ澤氏にしても、ようやく海外のマーケティングコストにどの位かけていいか判ってきた程度と世界展開が始まったばかりだと話す。
 また、キャラクタービジネスを得意とするバンダイナムコグループ特有の状況も説明する。同社が海外で主力とするキャラクターゲームは、テレビ放映がされるかどうかに大きく左右される。
 だから、『ドラゴンボール』は売りやすいが、『鬼太郎』は海外では難しいだろうと言う。海外でのメディアミックスの重要性に触れた。

 それは海外ビジネスを得意するカプコンも同様だ。海外で売ろうと思うが、現在の世界シェアは大きいものでないとする。辻本氏の認識も、世界戦略は3合目位とこちらも初期段階である。
 一般には世界で活躍する日本のゲーム産業というイメージが強い。しかし、ゲームソフト業界の内側からは、フロントランナーであってさえも、グローバル戦略はこれから始まるという認識が共通している。

 今後のグローバル戦略では、辻本氏は世界一のゲーム会社になると語る。そして、現在同社が進めるゲーム作品の映像化は、作品のユーザーへの浸透度を増して行くためであるという。カプコンにとってメディアミックス、映像への2次展開は、グローバル戦略と不可分のようだ。
 また、鵜ノ澤氏も海外市場でより大きくなることを目指している。バンダイとナムコが経営統合をして3年、その体制は整っているとする。そして、バンダイナムコグループのキャラクターには自信があると述べ、こちらもアニメや映像を含めたメディアミックスの活用が考えられている。
 和田氏はこうした状況を、業界の垣根もなくなれば、国境もなくなりつつある、売上本数だけでなく、精神的なものも重要、新しいハード、新しいゲーム、新しいビジネスモデルを提案出来ることが大事と講演を締めくくった。

東京ゲームショウ2008公式サイト /http://tgs.cesa.or.jp/
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