ディズニー・アートの巨匠 メアリー・ブレア展始まる | アニメ!アニメ!

ディズニー・アートの巨匠 メアリー・ブレア展始まる

 7月18日から東京都現代美術館で、メアリー・ブレア展が始まった。10月4日まで開催されるこの展覧会は、1940年代から70年代にかけてウォルト・ディズニーで活躍したクリエイターであるメアリー・ブレアの創造の軌跡を紹介するものだ。
 展覧会ではメアリー・ブレアの

ニュース
注目記事
 7月18日から東京都現代美術館で、メアリー・ブレア展が始まった。10月4日まで開催されるこの展覧会は、1940年代から70年代にかけてウォルト・ディズニーで活躍したクリエイターであるメアリー・ブレアの創造の軌跡を紹介するものだ。
 展覧会ではメアリー・ブレアの若き日から晩年まで、そしてメアリー伴にディズニーで働いた夫リー・ブレアら周辺のクリエイターの作品も含めた500点を展示する。ディズニー・アニメーションの魅力を伝えると同時に、多彩な才能を発揮したクリエイターの人生を語るものとなっている。

 メアリー・ブレアは1939年にディズニー・スタジオに入社、1950年代に劇場アニメーションの名作である『シンデレラ』(1950年)や『ふしぎの国のアリス』(1951年)、『ピーター・パン』(1953年)などの創作に深く関わった。ファンタジックで幸福感溢れる色彩感覚が、これらの作品の方向性を決めた。
 また、多くのディズニーファンに馴染み深いディズニーランドの人気アトラクション「イッツ・ア・スモールワールド」のデザインも重要な業績だ。華やかで独特の色彩で人気を集めるアトラクションのコンセプトは、メアリー・ブレアによるものだ。

       mbexbision.JPG

 東京都現代美術館は2003年のジブリがいっぱい ジブリ立体造型物展以来、毎年夏にアニメーションをテーマにした企画展を行っている。近年は、日本テレビ放送網や三鷹の森ジブリ美術館、ウォルト・ディズニーが関わるものが多い。ディズニー作品を取上げるのは、2006年のディズニー・アート展に続くものである。
 こうした展覧会はもともとは夏休みの子供に向けたもので、現代美術館の集客アップを狙ったものでもある。しかし、2007年のジブリの絵職人 男鹿和雄展の背景美術、2008年のスタジオジブリ・レイアウト展のレイアウトと、近年展覧会の方向性は変わりつつある。アニメーションの持つ隠れたアートの魅力を紹介することにより力を注ぐようになっている。

 比較的地味なテーマは、集客を考えれば冒険である。しかし、いずれの展覧会も魅力の伝え方が巧みで、展示内容のクオリティの高さと同時にエンタテイメント性を実現している。
 今回のメアリー・ブレア展では、さらに新たな挑戦がなされている。美術館に並んだ展示品は、ディズニー・アートだけでなく、メアリー初期の油絵やCMのためのデザインワークス、さらに新聞記事や仕事場の再現に及んでいる。メアリー・ブレア展のテーマは最早アニメーションではなく、アニメーションと伴に歩んだメアリー・ブレアの人生そのものだ。

       mbexbision2.JPG

 アニメーション作品、それを支えるのは各パートごとの仕事、さらにそれを支えるのは数多くのクリエイターたちである。しかし、クリエイターは監督や一部のアニメーターを除けば、一般的に語られることはさほど多くない。
 そうした中でメアリー・ブレア展は、アニメーションの創造の源がクリエイターの内部にあることを明らかにする。女性がキャリアを持つことが難しい時代から、その才能を多くのアニメーションに反映させたメアリー・ブレアは、まさにこうしたテーマに相応しい人物と言えるだろう。

メアリー・ブレア展 公式サイト /http://www.ntv.co.jp/mary/
東京都現代美術館 /http://www.mot-art-museum.jp/
《animeanime》
【注目の記事】[PR]

特集