日本初のマンガ雑誌のまるごと無料公開、雑誌発売と同時無料公開など、インターネットに向けた驚きの戦略を次々と繰り出す講談社の月刊誌「モーニング・ツー」が、再び新たなビジネスにチャレンジする。 雑誌の発売日に合わせて、「モーニング・ツー」をほぼまるごとiPhoneとパソコン向けに販売する。一部収録されない作品はあるものの店頭に並ぶ雑誌とほぼ同じものが、ネット経由で手に入る。iPhoneに、マンガ雑誌がまるごと有料販売されるのは今回が初めてになる。 販売はボイジャーが運営する電子書籍配信サイト「理想書店」で行う。販売金額は紙媒体の雑誌の420円(税込)よりやや安い1冊300円 となる。PCとiPhoneどちらも読むことが可能となる。 7月22日から今月号を発売、実際の雑誌と同様に7月22日から8月20日までを販売期間とする。その後は毎月新号に入れ替わって行く。 今回のボイジャーと「モーニング・ツー」の試みが画期的なのは、iPhoneへの販売がダウンロード・トゥ・オウンと呼ばれるコンテンツ所有型になる点だ。これまでもマンガのウェブ、モバイルなどへの販売は行なわれてきたが、その大半はその場だけしか閲覧出来ず、コンテンツの保存が出来なかった。 これはコンテンツの権利者が、保存型の配信を嫌う傾向が強いためである。しかし、iPhoneではコンテンツを削除しない限りは自身のものとしてiPhoneの中に保存出来る。 「モーニング・ツー」からは、山下和美さんの『不思議な少年』、中村光さん『聖☆おにいさん』などのヒット作が数多く生まれている。しかし、これまではエッジの利いた編集方針は大衆向けとは言えず、地方を中心に取り扱い書店が限られるという悩みがあった。 その打開策と認知度向上を目指して、2008年10月に3ヶ月連続でウェブ上での雑誌無料公開に踏み切った。これが大きな反響を巻き起こし、雑誌の売上増加につながった。現在は、2009年5月から1年間のウェブ無料閲覧サービス(3ヶ月間は発売と同時、以後1ヶ月遅れ)を行っている。 無料閲覧と有料販売のビジネスの組み合わせは一見奇異に映るが、有料版は発売と同時、さらにiPhoneでは携帯性が大きな強みとなりそうだ。 さらに、どこでも購入可能とすることで、雑誌が購読者の近くの書店に行渡らないという問題を克服する。「モーニング・ツー」の新たな挑戦が、3度マンガ業界を揺さぶることになりそうだ。モーニング公式サイト /http://morningmanga.com/
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