3月15日から東京、横浜、大阪で開催されるフランス映画祭2007で、注目のフランスアニメーション『ルネッサンス』が上映される。 『ルネッサンス』は、昨年のアヌシー国際アニメーション映画祭の長編アニメーション部門グランプリを獲得した作品である。アヌシーは世界最大のアニメーション映画祭で、そのグランプリ作品の注目度は高い。この『ルネッサンス』がフランス映画祭の東京会場で3月17日(お台場シネマメージュ)と3月18日(TOHOシネマズ六本木ヒルズ)で上映される。 作品はこの夏にシネセゾン渋谷などでの公開を予定しており、今回の上映はジャパンプレミアともなっている。フランス映画祭会期中には監督のクリスチャン・ヴォルクマン氏の来日も予定されているので、舞台挨拶やそのほかのイベントも期待できそうだ。 監督のクリスチャン・ヴォルクマン氏は、現実と非現実の曖昧さを表現した世界的なカルトムービー『Maaz』の監督としても知られている。 今回は初の長編アニメーションであるが、フランスのバンドデシネを思わせるスタイリッシュな世界を作り上げている。 物語は巨大企業の若手女性研究員が誘拐されることから始まる。舞台は未来のパリで、作品の雰囲気は往年のSF映画、あるいはP・K・ディック的な近未来世界を思い起こさせる。 物語はそこからさらに昔(2006年)に行なわれた謎の研究に辿りつき、そしてその研究を巡って主人公などの様々な思惑が交錯する。 映像は全て実写映画から起こしたリアル感がある作りになっているが、同時に全てモノクロに処理されている。さらに3DCGでありながらコミックを思わせる平面的な印象を与える。 このためリアル感と非現実感が同居する奇妙な空間を作り出している。それがあたかも映像のなかの迷路的な世界に迷い込んだかのような印象を観客に与える。 世界のなかでアニメーションと言った時に、アメリカのディズニーやピクサー的な世界か日本のアニメを思い起こすことが多い。しかし、『ルネッサンス』はいずれにも属することなく、かつ大人のための上質のエンターテイメントとして成立している。 作品はアニメーション映画の表現の豊かさと可能性を拡大している点でも価値のあるものである。 ©ONYX FILMS MILLIMAGES LUXANIMATION TIMEFIRM LTD FRANCE 2 CINEMA MMV.スタッフ監督:クリスチャン・ヴォルクマン製作:アトン・スマシュ、ロック・レネール、アレクシ・ヴォナルブ 脚本:マチュー・ドラポルトアレクサンドル・ド・ラ・パトリエールパトリック・レナル、ジャン=ベルナール・プイ 音楽:ニコラス・ドッド オリジナル・デザイン:クリスチャン・ヴォルクマン/フランス映画祭2007 /ルネッサンス 上映予定 3月17日(土)お台場シネマメージュ 16時45分~ 3月18日(日)TOHOシネマズ六本木ヒルズ 16時半~/ルネッサンス公式サイト(フランス)
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