韓国の映画市場で韓国産のアニメーションの活躍が話題になっている。ひとつは30年ぶりにデジタルリマスターで復元されたロボットアニメーションの『ロボットテコンV』、もうひとつはファンタジー作品の『千年狐』である。 『ロボットテコンV』は1976年に、日本アニメの影響を受けて制作された作品である。韓国のアニメーション産業初期の作品として注目を浴び、観客動員も好調である。1月21日の劇場公開の週には興収第7位で登場し、韓国アニメーションの興収歴代1位になる勢いとなっている。 しかし、作品自体が古いこともありイベント的には注目だが、韓国のアニメーションの現状を考えるうえではあまり参考にならない。 むしろ注目は、興行的には『ロボットテコンV』を下回るが、イ・ソンガン監督の『千年狐』のほうである。イ・ソンガン氏はフランスで開催されるアニメーションフェスティバルのアヌシー国際アニメーションフェスティバルの2002年の大賞受賞経験がある。 今回の映画はこの実績をもとに、韓国アニメーションとしては破格の27億ウォン(約3億5000万円)の製作費が投じられている。 興行成績は好調とされているが、必ずしも韓国内の映画興行だけでは採算ラインに乗っていない。しかし、今後は国内での実績をもとに海外への販売を狙って来ると考えられ、そこで収益化を目指すことになりそうだ。 韓国で劇場アニメーションの大作が近年少なかったのは、2003年の劇場SFアニメーション『ワンダフルデイズ』の国内外での興行的な失敗のためだとされている。 しかし、今回の『ロボットテコンV』の興行的な成功と『千年狐』の制作は、そうしたこれまでのムードを払拭する役割を果たしそうだ。
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