「LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門」小池健監督インタビュー 孤高の剣士・五ェ門の若き日の出会いと挫折 2ページ目 | アニメ!アニメ!

「LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門」小池健監督インタビュー 孤高の剣士・五ェ門の若き日の出会いと挫折

『REDLINE』など作家性の高いアニメーション制作から実写映画のアニメーションディレクターまで様々な場で活躍する小池健監督。彼が描いた五ェ門とは? ルパン作品の思い入れについても話しをうかがった。

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──モンキーパンチ作品との出会いを教えてください。

小池
高校生の時です。単行本や「漫画アクション」で読んであまりのカッコよさに感動して。日本人離れした西洋的な画風で色気もあって、他にないビジュアルがとても魅力的でした。あの時、自分がインパクトを受けたモンキーパンチ先生のルパンやTVアニメのファーストルパンの雰囲気をこの映像にどう込めるかはすごく気を使いました。

──その頃からアメコミチックな画風や西洋的な画風に惹かれていたんですね。

小池
好きでしたね。かといってアメコミを読み漁るというよりは、ビジュアルが好きでした。

──躍動感があるビジュアルが好き?

小池
それもあるし、この業界に入って海外のアニメーターと仕事をする機会もあって。そのひとりがピーター・チョンで、『PARTY7』のオープニングアニメーションを一緒に作ったクリエイターです。彼のアメコミチックな絵がそれはもうスタイリッシュなんですよ。一方で彼は日本のアニメーションのファンでもあり、巨匠・金田伊功さんをとても尊敬しているんです。金田さんに憧れてアニメの仕事を始めたとも耳にしました。僕は彼のことも金田さんのことも大好きなので、両方の要素を自分なりに落とし込めたらいいなと仕事をしていた時期もあります。石井(克人)さんもアニメーションが好きな方で『イーオン・フラックス』を見て、『PARTY7』の企画時に僕とピーター・チョンに声をかけてくれたんです。


──今回のルパンもそうですが、『PARTY7』のあとも石井さんとは色々なお仕事で小池監督とご一緒されています。そういった意味で大きな作品ですね。

小池
そうですね。

──今作で描いていて楽しかったシーン、お気に入りのキャラクターがあれば教えてください。

小池
今回はおじさんが多くて(笑)、キャラクターの表情が豊かなので勢いで描いていけるんですよ。描いていて楽しかったです。群像劇でキャラクター数が多くて工数もかかるし、キャラクターが多いと望遠で描くシーンが多いのでしんどかったですが、やりがいがありました。五ェ門の剣戟、特に50人斬りのシーンはぜひ大きなスクリーンで見て欲しいです。

──浪川大輔さんの演じる石川五ェ門についてどう感じていますか。

小池
やっぱり浪川さんが演じるだけあって、完璧です。どのテイクも素晴らしい。何回かオーダーを出すこともありましたが、「イメージとは違うけどうまいからOK」なんてことも多かったです。

──実際にどういうオーダーを出されたのでしょうか。

小池
未熟な五ェ門の雰囲気を出してもらったのが前半。セリフに多少の感情を乗せるようにお願いしました。後半は渋みや憂いを乗せてもらいました。開眼して達成感もある。でも人を斬っているので、人の道から外れたという葛藤もあるんですよね。己の行いは善か悪か常に自問自答するような憂い。

──『ルパン三世』は様々な人によってアニメーション化されています。長きにわたってここまで愛されるのはなぜだと思いますか?

小池
キャラクターの魅力だと思います。ルパン、次元、五ェ門、不二子の関係性がベタベタしない大人の関係性ですよね。「友情が大切だ」とか「信頼が」とか言わないのが大人っぽい。僕が子供の時にルパンで垣間見た大人のアニメーションの世界を大切にしたい。そこが今作の一番の魅力であるとも思います。


──最後に、改めて本作の見どころをお願いします。

小池
今回は五ェ門にスポットを当てたお話。見どころはやっぱり剣戟です! そして五ェ門が鼻をへし折られ這い上がる心理描写も丁寧に作ることができたと思います。ぜひ劇場で観てください。
《川俣綾加》
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