中国の電子商取引の巨大企業アリババ・グループホールディングスは、11月6日にインターネット動画サービスの大手である優酷土豆と同社の買収、経営統合で合意したと発表した。アリババは優酷土豆の1株に対して27.60ドルの現金を支払う。アリババ・グループはすでに優酷土豆の株式の20%近くを保有しており、残りの株式の取得を目指すことになる。買収総額は日本円で5000億円規模となりそうだ。アリリバは中国でコンシュマー向け・企業向けの電子取引の最大手。年間の取扱い総額は30兆円を超え、年間売上高は約1兆5000億円にもなる。中国を代表するIT企業である。電子取引では大きな存在を誇るが、すでにこの分野では圧倒的な存在で、さらなる成長には他業種への展開が不可欠だ。そこでアリババはかねてより成長性の高い動画サービスビジネスへの参入に強い意向を示してきた。しかし新たな事業を立ち上げるのでなく、すでにある程度の出資をする優酷土豆を子会社とすることで、一気にこの分野での存在感を高めることになった。アリババは、買収を通じた優酷土豆との経営統合が両社の顧客に大きな利益をもたらすとしている。また優酷土豆も、アリババの持つECポータルや広告ビジネスとの統合で、優酷土豆がマーケットでより確かな地位を築き、成長を加速させることが出来るだろうとする。中国には数多くの動画ポータルサイトがある。近年は配信コンテンツの正規化が進み、ユーザーの獲得競争、有力コンテンツの獲得競争が激化している。なかでも、優酷土豆、愛奇芸をグループ会社とする百度、テンセントの3社が大手動画配信として存在感を増している。アリババと手を組むことで、優酷土豆はこうした競争に勝つ抜く構えだ。一方優酷土豆は、日本のアニメとも関わりが深い企業である。ここ数年数多くの日本アニメを正規配信してきた。なかでも国内アニメビジネスの有力企業であるテレビ東京は、2011年以来、日本の有力アニメの中国向け展開で土豆と提携を続けている。『NARUTO』や『銀魂』を初めとした人気アニメ、深夜アニメの日本での放送との同日配信のプラットフォームとして土豆網、優酷網が活用されている。もともとテレビ東京の中国配信ビジネスは、土豆との提携からスタートした。2012年に土豆が同業大手の優酷と合併し、優酷土豆に変わった。さらにこれがアリババ・グループの参加に入ることになる。中国のIT・ネットビジネスのダイナミズムを感じさせる。優酷土豆が巨大企業の傘下に入ったことで、日本のアニメビジネスとの関係が変わるのか変わらないのか、変わるとすればどういった方向なのか。日本のアニメやキャラクター企業は、現在、海外向けのネット取引に大きな関心を持つことが増えている。相手が中国のECサイトの大手のアリババだけに今後の行方も注視される。[/アニメ!アニメ!ビズ/www.animeanime.bizより転載]
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