ユーザー志向が「dアニメストア」成功の鍵 サービス開発担当部長 田中伸明氏インタビュー | アニメ!アニメ!

ユーザー志向が「dアニメストア」成功の鍵 サービス開発担当部長 田中伸明氏インタビュー

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NTTドコモ 田中伸明さん
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動画配信サイト「dアニメストア」は2012年7月にサービスを開始。スマートフォンをはじめタブレットやパソコンで楽しめるアニメ見放題サービスとして人気を博している。
当初はNTTドコモ限定のスタートだったが、その後キャリアフリー化によりユーザーの拡大を実現している。2015年7月には会員数200万人の大台を突破し、国内を代表するアニメ動画配信サイトとして知られるようになっている。
そうしたなかで9月29日にはサービス開始以来の大幅リニューアルを敢行した。国内外の動画配信サービスが日本での攻勢を強める中で、よりユーザーに便利なサイトとすることで、さらなるユーザー支持を目指す。
今回はNTTドコモ プラットフォームビジネス推進部 サービス開発担当部長の田中伸明氏に、dアニメストアの展望をうかがった。その話からはdアニメストアならではのユーザー志向の強さが窺われる。
[取材・構成=高橋克則]

■ 「dアニメストアって分かってるじゃん」とユーザーに思われる企画を

――dアニメストアが2012年7月にサービスを開始してから3年が経過しました。手応えはいかがですか?

田中伸明氏(以下、田中)
サービスをはじめて予想外だったのは、ユーザーが過去作品を探して見てくれたことです。サービス開始当初はSVOD(定額制動画配信)に対して「Blu-rayやDVDが売れなくなってしまう」という意見が根強かったんです。
でも実際に配信してみると、過去作品が視聴されて収益をあげるという新しいマーケットが生まれました。パッケージ販売から時間が経った旧作もユーザーが視聴してくれるため、コンテンツホルダーからはありがたいと言われますし、私も非常に嬉しく思っています。

――dアニメストアは人気作だけでなくマニアックな作品も揃えていることで話題になりましたね。

田中
アニメというジャンルはファンが自分たちの手で作品を発掘していくんだなと実感しました。ドコモとしても一つのジャンルに特化したサービスはdアニメストア以外にあまりないんですよ。それにTwitterでも積極的に情報を発信していて、ユーザーからは専門的なコメントを多く頂けています。その声に応えるかたちで配信ラインナップやサービス内容に反映させていきました。
ユーザーの声を起点に私たちのアクションが変わるという意味でもドコモの中では珍しい存在です。これからもユーザーの動きに合わせて、どう寄り添っていけるのかという方針を立てています。

――「寄り添う」とは具体的にどのようなことでしょうか?

田中
簡単に言ってしまえば、「dアニメストアって分かってるじゃん」とユーザーに思ってもらえるような作品や企画を提案することです。今回のリニューアルはその表現の一つでもあります。たとえば新機能の『おすすめアニメ診断』はユーザーの趣好をクラス分けして、それぞれにフィットしたアニメを表示するシステムです。そこで「なるほど」と納得できるようなチョイスをしていく。
また『だらだらキャンペーン』では、食べる間も惜しんでアニメを見る人も多いだろうと思って、ユーザーの自宅にピザを配達したり、200万カロリー分のポテトチップスをプレゼントしたりしました。単に配信だけをしているサービスから脱却して、好きなアニメを教えてくれたり、面白い企画をやっているというイメージを持ってもらえればと考えています。

■ 配信だけのサービスから脱却

――他の配信サービスとの差別化は考えられているのでしょうか?

田中
そうですね。配信サービスとして視聴環境の快適さはもちろん追及していきます。一方で配信以外の広がりも出したいと思っています。それもあって、昨年の冬からはコミケに参戦して、今年もAnimeJapan2015でステージイベントを開催しました。
最近は作品を視聴するだけではなく、映像の向こう側にいる声優さんとイベントで会ったり、ライブで歌声を聴いたりすることもアニメの魅力になっている。そういうリアルな触れ合いは今後も提供していきたいです。

――配信ラインナップの拡充はどのような方針ですか?

田中
配信サービス全体で言うとオリジナル作品へと軸が移っている傾向にあります。ただアニメの場合はまた別で、原作のコミックスや作者にファンがついていることが多いためです。dアニメストアは製作委員会に出資していますが、自前だけでアニメを一本製作することはあまり考えていません。それよりはコンテンツホルダーとどう組むのかが重要になってくると思います。
あとdアニメストアでは、新作テレビアニメの『いつでも見放題』がとても上手くいっています。とくにローカル局しか見られないユーザーにとっては、いかに早く新作を視聴できるかは重要です。作品が見たくても見られないなど、ユーザーのストレスになっている部分は解消していこうと努めています。

――dアニメストアは約3年で200万会員を突破しました。今後の会員数の目標はありますか?

田中
人類の半分ぐらいです(笑)。でも真面目な話をすると、dアニメストアをはじめてから3年間でスマホを使ってアニメを見ている人たちが増えていると感じています。テレビアニメの1話24分という長さは通勤・通学中の電車内で視聴するのに丁度良いんですよね。家にいなくてもアニメが見られるのはスマホでサービスをはじめて良かったなと思っている点です。
ドコモは他社にサービスを先行されて後からキャッチアップするパターンが多いのですが、dアニメストアは携帯キャリアの中で最初にアニメ配信事業をスタートすることができました。その利点を生かして様々な企業と手を組み、ユーザーが喜んでくれる新たなアプローチを実現していきたいです。
お金を払ってアニメを見たいという人はまだ1000万人はいないかも知れません。けれど、ここ数年で人々の生活の中にアニメが溢れてきています。現在の勢いのまま会員数を伸ばしたいですね。
《高橋克則》
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