バンダイナムコHD通期決算は増収増益 映像音楽売上げ437億円で好調 | アニメ!アニメ!

バンダイナムコHD通期決算は増収増益 映像音楽売上げ437億円で好調

■ 玩具、ゲーム、ネットワーク、映像・音楽が好調■ アメリカ、ヨーロッパが黒字転換で、海外事業に明るさ■ 映像・音楽は売上高437億円、セグメント利益100億円

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■ 玩具、ゲーム、ネットワーク、映像・音楽が好調

エンタテインメト大手のバンダイナムコホールディングス(バンダイナムコHD)が、2015年5月8日に2015年3月期の決算発表を行った。玩具、ゲーム、ネットワーク、映像・音楽のいずれもが好調で増収増益の明るい発表となった。
連結売上高は5654億8600万円と前年比11.4%増と、5000億円の大台を大きく超えた。また営業利益は563億2000万円(前期比26.1%増)、経常利益は593億8300万円(25.1%増)、当期純利益は375億8800万円(50.0%増)と、利益面での伸びが大きかった。

トイホビー事業の売上高は2309億1800万円(前期比23.9%増)、セグメント利益は170億4000万円(62.1%増)である。「仮面ライダー」シリーズ、「スーパー戦隊」シリーズ、「アイカツ!」が順調だった。海外でも欧米で「パワーレンジャー」シリーズ、「ベイマックス(BIG HERO 6)」が好調、アジア地域では大人向けのコレクション性の高い玩具が人気だったとしている。

■ アメリカ、ヨーロッパが黒字転換で、海外事業に明るさ

2015年3月期の大きな成果が海外事業である。売上高はアメリカが356億8700万円と30.2%増、ヨーロッパが315億3600万円(11.8%増)、アジアが273億9500万円(8.0%増)と主要3地域で売上げが増加した。
利益面では、5年連続赤字であったヨーロッパが黒字転換で4億5500万円の営業利益、アメリカも前期の26億600万円の赤字が13億7200万円の黒字となった。アジアも含めて3地域が全て黒字になったのは6年ぶりである。

ゲーム、ネットワークコンテンツ、映像音楽ソフトで構成されるコンテンツ事業は、売上高は2880億900万円(前期比3.4%増)、セグメント利益は409億2700万円(9.9%増)である。ソーシャルゲームやスマートフォン向けアプリゲームが堅調だったほか、欧米で発売したゲームソフト「DRAGONBALL XENOVERSE」もリピート販売が好調だった。
一方、アミューズメント施設事業は国内既存店の売上高が前年を下回り、赤字から抜け出せなかった。売上高は555億3800万円(前期比4.6%減)、セグメント損失22億8700万円である。

■ 映像・音楽は売上高437億円、セグメント利益100億円

バンダイナムコHDは、2015年4月よりビジネスユニットの再編を実施している。従来はトイホビーSBUとゲームやネットワーク、映像音楽から構成されるコンテンツSBU、それにアミューズメント施設SBUだったが、新たにトイホビーSBUとネットワークエンターテインメントSBU、映像音楽プロデュースSBUとした。コンテンツSBUをゲーム・ネットワークのネットワークエンターテインメントと映像音楽のふたつに分割、そのうえでアミューズメント施設をネットワークエンターテインメントに統合したかたちだ。
バンダイナムコHDは、2016年3月期の計画をこの新たなSBUに基づいて発表している。さらに2015年3月期についても、新区分での数字も明らかにしている。

映像音楽プロデュースSBUは、映像ソフトのバンダイビジュアル、アニメ企画・製作のサンライズ、この春にサンライズからスピンオフしたバンダイナムコピクチャーズ、音楽のランティス、アニメ配信のバンダイナムコライツマーケティング、イベント事業のバンダイナムコライブクリエイティブなどから構成される。いずれもアニメ関連事業を得意としており、映像音楽プロデュースSBUの業績を見ることでバンダイナムコHD全体のアニメ事業の動向を知ることが出来る。
決算短信補足によれば、映像音楽プロデュースSBUの売上高は437億7300万円である。一方セグメント利益は100億7700万円となっている。利益率が23.0%とトイホビーの7.4%やネットワークエンターテインメントの9.9%よりかなり高くなっているのが特徴だ。利益率の高いライセンスビジネスが利益を牽引しているとみられる。

また売上高は437億円のうちBlu‐rayやDVDなどの映像・音楽パッケージ販売の売上げは179億円となっている。残り258億円はアニメーション制作、ライセンス事業、配信、イベントからである。
好調だった作品では、『ラブライブ!』と『機動戦士ガンダムUC episode7 「虹の彼方に」』だった。
2015年3月期は順調だった映像音楽プロデュース事業だが、2016年3月期はかなり保守的な予想を立てている。パッケージ販売は170億円、アニメーション制作・ライセンス事業・配信・イベントは180億円と計画する。ヒット作の有無が業績を左右しがちなだけに、堅実な見通しとなったようだ。

バンダイナムコHDは、全体でも2016年3月期は手堅い業績予想を明らかにしている。通期連結業績予想は5300億円(6.3%減)、営業利益は450億円(20.1%減)、経常利益は460億円(22.5%減)、当期純利益は300億円(20.2%減)である。

[/アニメ!アニメ!ビズ/animeanime.bizより転載記事]
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