2015年1月15日(現地時間)、米国・ロサンゼルスにて映画芸術科学アカデミーは第87回米国アカデミー賞全24部門の候補を発表した。このうち長編アニメーション部門(Best Animated Feature Film)のノミナート5作品のひとつとして、日本の高畑勲監督『かぐや姫の物語』が選ばれた。『かぐや姫の物語』以外の4作品は、『ベイマックス』『The Boxtrolls』『ヒックとドラゴン2』、そして『Song of the Sea』である。 映画芸術科学アカデミーは事前に選考対象として20作品を挙げていたが、この中から勝ち残った。一方、前評判の高かった『LEGO ムービー』がノミネートに残らず、米国の映画メディアを驚かせている。また選考対象に含まれていた西久保瑞穂監督の『ジョバンニの島』もノミネート入りは逃した。
他の作品では、『ベイマックス』はディズニー・アニメーション・スタジオの最新作、現在国内で大ヒット中だ。日本カルチャーを大きく取り入れたのも特徴である。『The Boxtrolls』はストップモージョン・アニメーションで世界的に知られるライカの作品、『コララインとボタンの魔女』、『パラノーマン ブライス・ホローの謎』に続き高い評価を得ている。『ヒックとドラゴン2』は、ドリームワークス・アニメーションのヒット作の続編で竜が共存する島々に住む、主人公たちの冒険を描く。 最も日本で知られていない作品は、『Song of the Sea』だろう。前作『The Secret of Kells』でもアカデミー賞にノミネートされたトム・ムーア監督の作品である。アイルランドの神話をモチーフにした同国の映画だ。米国での映画配給は『かぐや姫の物語』と同じGKIDSが手がけた。GKIDSは2作品をアカデミー賞の候補に送り出したことになる。また『The Boxtrolls』も含めると、インディペンド系の作品が3本とノミネートの過半数となった。