「アニ玉祭」の見所と今後の展望―気になる“聖地化”の意義 主催者インタビュー後編 | アニメ!アニメ!

「アニ玉祭」の見所と今後の展望―気になる“聖地化”の意義 主催者インタビュー後編

インタビュー

10月11日、12日に埼玉県・大宮で開催される「アニ玉祭」。鷲宮、秩父といったアニメの“聖地”を多く抱える埼玉県の“アニメと観光”をテーマにした総合イベントが間もなく開催される。編集部ではアニ玉祭のキーマン3人にインタビューを実施した。
後編では、本イベントの発起人でもある田中康士郎さん(ソニックシティ 事業企画部)、アニ玉祭総合プロデューサーの柿崎俊道さん、そして埼玉県でアニメ施策を担当している松本直記さん(埼玉県産業労働部観光課の3名に、近年増えている「聖地化」についてお話を伺い、改めて今年のアニ玉祭の見所についてもたっぷりお話頂いた。

■ 実際に聖地化するとメリットはあるのか?
――アニメの“聖地”についてお伺いしたいのですが、実際に地方自治体が“聖地化”することにメリットはあるのでしょうか
柿崎:地元にとっては大変意義が大きいと思います。たとえば『らき☆すた』の聖地として有名な鷲宮ですが、以前は一地方都市のベッドタウンでしたからね。特に平日は、昼間はみなさん都市部へ働きに行ってしまっていたのが、『らき☆すた』の聖地となってからは、昼間も人で賑わっているという状況になったわけです。

――いまだに『らき☆すた』効果は続いている?
柿崎:そう判断できると思います。東京でいえば、「コミケ(コミックマーケット)に50万人来場!」というような、数万人規模ので集客があってはじめてインパクトがでるイベントが多数あると思います。一方で、鷲宮のような、一地方都市で考えてみると、1日に100人もの人が、しかも平日に訪れるということが非常に大きなインパクトになるわけです。ラーメン屋が2軒、うどん屋が3軒・・・とか数えられるレベルなので、100人も昼時に来ると、分散しても大忙しなわけです。東京などでは大きいイベントが多い分、ここのインパクトは薄れますよね。そうしたところにギャップを感じる人はいるかもしれません。

――十分聖地化することに意義はあると
柿崎:町に新しいお店ができるというだけで輝きが変わりますよね。商店街なんかは、どんどん寂れていってシャッターが閉まっている状況なので、そこにチェーン店が1軒でも来るとガラッと雰囲気が変わります。

松本:やはり一過性のブームで終わってしまうと、新規の店舗出店というのはないんですよ。もちろん、鷲宮神社の初詣には今年も47万人という凄い人出がありますので、自治体にとっては非常にありがたいのですが、一方で継続性も大事なんです。柿崎さんの言うように、毎日絶えず人が来るということも町には大きな効果がありますね。

柿崎:六本木や渋谷と比べちゃいけないんですよ。(笑)

田中:そこは重要ですよね。

松本:川越クラスの都市になるとまた話しは別なのですが、一地方都市に人が毎日訪れるようになるというのは大きなインパクトがあるんです。

――埼玉県側では、聖地化による経済効果の数値を算出しているのでしょうか?
松本:埼玉県ではそういった数値をだしてはいませんが、秩父と鷲宮ではそれぞれ算出しています。とはいえ、アニメの聖地化がどれだけ自治体の経済に寄与しているかというのを具体的に数値化するのは結構大変なんです。アニメの影響で訪れるようになった人がどれくらいいるのかを正確に計測するのは難しいので、例えば、電車の乗車率などを見ながら試算していると鉄道会社の方から聞いたことがあります。
鷲宮の場合『らき☆すた』のアニメが終了してから、もう7年近く経つわけですが、いまだに数多くの方にお越し頂いています。これはコンテンツの力もありますが、自治体がしっかりと町おこしに繋げられている事例だと思います。ただ『らき☆すた』が好きなだけでは、何度も鷲宮に足を運ぶことはないと思いますので。

――やはりアニメの聖地化というのは、鷲宮がマイルストーンになっているのでしょうか
松本:鷲宮の場合は商工会主導でやっています。他は市役所レベルでやるので、その点では柔軟にやれていると思います。

柿崎:そもそも鷲宮・秩父・飯能とそれぞれ成功モデルが異なるんです。秩父の場合は市役所とアニプレックスがタッグを組んでやっていますね。

松本:他の自治体がお手本にしやすいのは秩父の事例ですね。

柿崎:埼玉県の方でも経験や知見がどんどん溜まってきているので、各成功事例をモデル化して他の自治体と共有しているのが「プロジェクト会議」というわけです。

※鷲宮は『らき☆すた』、秩父は『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』、飯能は『ヤマノススメ』の聖地として多くの人が訪れている。
《宮崎 紘輔》
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