1954年の映画『ゴジラ』誕生から60年、その節目の年としてコジラが大きな盛り上がりを見せている。7月25日には、ハリウッド製作の大作映画『GODZILLA ゴジラ』も公開され、大ヒットになっている。1954年以来、『ゴジラ』を代表する怪獣映画を彩ってきたのは、独特の造形の怪獣たちと、実はその怪獣たちに破壊される街ではないだろうか。そんな怪獣映画に登場する街の姿を追った本が、8月22日に一迅社から刊行される。野村宏平さんによる「ゴジラと東京 怪獣映画でたどる昭和の都市風景」だ。本書はふたつ側面から楽しめる。ひとつは1950年代から60年代、日本の怪獣映画、特撮映画を振り返るものである。書籍のタイトルには「ゴジラ」を掲げるが、ページを開くとそこには『モスラ』や『空の大怪獣ラドン』、『海底軍艦』、『妖星ゴラス』などが並ぶ。ゴジラを出発点に東宝特撮怪獣映画から、怪獣に破壊された都市や街、建築物、ロケ地を徹底検証する。黄金時代の日本特撮を振り返る、また知りたい人に満足度の高い内容だ。また、ここではそうした作品を通じて、50年代、60年代の都市が描かれる。執拗なまでの綿密な調査が、街の様子を臨場感たっぷりに浮かび上がらせる。随所に盛り込まれた地図や当時の写真が、また興味深い。怪獣映画に興味はなくとも、都市の歴史に関心がある人はたっぷり楽しめる。特撮と都市の双方に興味があれば、楽しみは倍増だ。著者の野村宏平さんは、ミステリー研究家、特撮研究家として知られている。怪獣映画、特撮に関する執筆は多いが、本書はその中でも白眉と言っていいだろう。長年の研究と知識の蓄積が一挙に吐き出されたかたちだ。それだけに満足感の高い価値ある一冊に仕上がっている。「ゴジラと東京 怪獣映画でたどる昭和の都市風景」 野村宏平A5判 本体2,100円+税2014年8月22日発売『ゴジラ』T&M(C)TOHO CO.,LTD.
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