絶版マンガの無料配信など既存の枠組みに捕らわれない試みを数多く行ってきたJコミが、12月20日に新たなユーザーサービスの正式版をスタートさせた。「JコミFANディング」である。「JコミFANディング」は、ファンが直接マンガの作者を支援出来ないかと考える中から誕生したシステムだ。ユーザーは通常より少し高い価格を払う代わりに、作品に加えて他にない特別なサービスを得ることが出来る。サービスのコンセプトは、「少数のファン層から、少しお高いお布施を集める」というものだ。2012年9月にβテストを実施し、今回の正式版につながった。βテストの運用では、「『ラブひな』パーフェクトPDFセット」などの商品を販売した。特別なサービスのなかには下書き・ネーム1話分収録、直筆サイン入りハガキなど、プレミア感の高い特典が満載で、多数の申込者を集めた。しかし、Jコミは、βテストでは値段の設定がやや安過ぎたのでないかとしている。実際にこの時は短時間で予約販売が終了、「本当に欲しい人」が販売があったことさえ知らない間に全てが終わったと振り返る。この結果、正式版では「パッと見で高額な商品を、長い陳列期間を経て販売する」という方針に変更された。値段はやや張るが、価値があるものをじっくりと考えながら購入を検討も出来るようになりそうだ。サイトでの商品の掲載期間は1ヶ月を予定する。正式版スタートと共に設定された第1弾商品は、6名の作家によるもの。出口竜正さん、内田美奈子さん、松田未来さん、八神健さん、凡天太郎さん、がぁさん さんらが参加する。いずれもボリュームのあるマンガ作品集と価格に応じたプラスアルファが加わっている。価格設定は1000円から2万円まで、直筆サインやマンガ家さんとの飲み会などもある。飲み会では、その場でサイン色紙を貰ったり、制作の裏話なども聞くことも可能だ。Jコミはこの飲み会を「ミュージシャンにおけるライブに相当する」としている。Jコミは、マンガ家・赤松健さんが代表取締役社長となりスタートした異色の電子書籍サービスである。絶版マンガの電子書籍配信からスタートし、広告モデル、課金モデル、死蔵した作品の再活性化など様々試みを意欲的に続けている。デジタル時代のマンガの表現とビジネスの在り方への挑戦として、大きな関心を浴びている。クラウドファンディングからもアイディアを得たとする「JコミFANディング」も、今後、多くの影響を与えることになりそうだ。「Jコミ」/http://www.j-comi.jp/
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