劇場アニメ『空の境界』が、この8月に完結することが明らかになった。『空の境界』は、2007年12月の第一章「俯瞰風景」の公開とともにファンから絶大な支持を集め、2008年以降に大きなム-ブメントとなった作品である。 5月7日、劇場アニメ『空の境界』の公式サイトは、作品の最終章にあたる第七章「殺人考察(後)」を東京・テアトル新宿で8月に公開することを発表した。またこれに合わせて公式サイトでは、予告映像を公開、さらに製作スタッフも明らかにしている。いよいよ最終章に向けて走り出すことになる。 『空の境界』は、『月姫』、『Fate/stay night』など数多くの人気作品を生み出してきた奈須きのこさんによる小説である。奈須きのこさんの得意とする耽美さを持ち合わせた、独特なホラー感覚溢れる映像と物語が展開する。 この原作は当初Web小説からスタートし、同人出版、ドラマCD、講談社ノベルズからの商業出版と、次々に発表の場を拡大してきた。その作品の経緯自体がドラマ性を帯びたものだ。 劇場アニメ化は、ファンから待ち望まれていたものである。しかし、そのヒットは予想を遥かに超えるもので、多くの関係者やファン自身にも驚きを与えた。 2008年から2009年にかけてのアニメシーンを代表する作品となっている。今回は最終章公開ということで、8月に向けてさらに大きな盛り上がりを見せることになるだろう。 また、『空の境界』は作品の内容だけでなく、アニメビジネスにも大きな影響を与えている。レイトショー、アーリーショーだけの単館公開作品が、シリーズ累計出荷数でDVD 50万枚を突破したからである。単館上映アニメの持つビジネスの可能性が大きく注目されるきっかけとなった。 2009年から単館規模の劇場アニメの公開・公開予定が相次いでいるのは、『空の境界』のビジネス的な成功に触発されたのに間違いない。劇場興行で製作費をリクープ(資金回収)し、さらに映像パッケージで利益を生み出すビジネスモデルは、今後確実に増加するに違いない。 その一方で、『空の境界』のスタッフ自身による、ポスト『空の境界』も注目される。最終章を迎える『空の境界』の今後の展開は、そして次の作品とその仕掛けは、どうなるかだ。 既に作品に関わったアニプレックスと講談社のプロデューサーによる「西尾維新プロジェクト」が発表されている。これがポスト『空の境界』になるのか、どのような作品やどのようなアイディアが出てくるのかも気になるところだ。劇場アニメ『空の境界』 公式サイト /http://www.karanokyoukai.com/
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