8月24日から26日まで、東京・秋葉原のAKIBA 3Dシアターで第6回東京アニメアワードフィルムフェスティバルが開催された。 フェスティバルは今年3月に選ばれた東京アニメアワードの受賞作品を紹介するものである。また同時に、韓国文化コンテンツ振興院との提携により、韓国アニメーションの紹介上映も行った。 華やかな受賞作品に隠れがちであったが、今回、上映のためにセレクトされた韓国アニメーション9作品は、韓国のアニメーション業界の状況を的確に表したラインナップで見所が多かった。ラインナップからは、現在の韓国アニメーションの強みと弱みが浮き上がっている。 今回の作品は、その傾向から主に3つのグループに分けられることが出来る。1. オンラインゲームやオンラインゲーム的な世界と結びついた作品。 『グリーンナイツ』、『クンヤ クンヤ』、『ミックスマスター』2. 人気ドラマのアニメ化作品。 『少女チャングムの夢』、『アニ・フランチェスカ』3. 幼児・児童向けの3Dアニメーション作品。 『イソップシアター』、『Z-Squad』、『ポンポンポロロ』 この中には、日本アニメ最大の特徴であるマンガ原作の作品がかけている。また、大人向け、マニア向けの作品も存在しない。 これは韓国の国内コンテンツ市場が小さく、マンガ家が経済的に自立出来ない事情が関係している。マンガ文化が育たないことが、マンガから発する日本アニメのような複雑な物語、大人向けのアニメが育たない背景にある。 しかし、短所と長所は裏表である。日本アニメがリミテッドアニメという不自由さから大きく飛躍したように、国内市場の小ささが韓国アニメーション産業の長所ともなっている。 つまり、国内市場をかなり無視出来る結果として、韓国アニメーションは作品を徹底的に欧米仕様に製作出来る。その結果、韓国アニメーションは、現在では欧米のテレビ放映市場でかなりのシェアを獲得しつつある。 この成功は日本アニメが、暴力や性的な表現などの問題で、なかなか成果をあげることの出来ない幼児・児童市場に集中している。 成果をあげている作品には、ヨーロッパで大きな成功をおさめ、今回も上映された児童向けの3Dアニメーション『ポンポンポロロ』や、今回は上映されなかったが『Pucca』などがある。これらの作品は3Dアニメーションという特徴もあるが、映像表現方法でなく、むしろ作品の内容こそが重要である。 現在、日本アニメは動画を中心とした制作業務の多くが海外委託で制作されている。こうしたことから産業空洞化懸念があり、日本アニメの制作能力の低下議論が行われる。さらにこの制作受託の多くを引き受ける韓国や中国がやがて、日本アニメ産業は追い抜くとの指摘もある。 産業空洞化自体も重要な論題である。しかし日本アニメの制作の基礎はクリエイティビティにこそ支えられており、少なくとも企画やプロット、キャラクターデザインなどのその根幹を支える部分では日本の優位性は、現在時点では両国より遥かに高い。 実際には韓国アニメーションのグローバル化は、日本との競争とは全く別の部分で始まっている。韓国アニメーションが取引相手のニーズに柔軟に対応できることである。それは韓国アニメーションの制作が海外との共同製作になることが多いことからも理解できる。 日本アニメの発展は、米国アニメーションの模倣や延長を超えたところでの成功にある。同様に、韓国アニメーションのグローバル化は、日本アニメや米国アニメーションの延長線上には存在しない。韓国アニメーションは、日本アニメと競争するのでなく、日本と市場を住み分けることでグローバルに広がりつつある。韓国文化コンテンツ振興院 /http://www.koreanculture.jp/第6回東京アニメアワードフィルムフェスティバル上映 韓国作品8月24日『グリーンナイツ』、『クンヤ クンヤ』、『ミックスマスター』8月25日『少女チャングムの夢』、『漢字王朱豪』、『アニ・フランチェスカ』8月26日『イソップシアター』、『Z-Squad』、『ポンポンポロロ』
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