「チェンソーマン」「ルックバック」作者・藤本タツキは何者? 読者が讃える “天才”の姿 | アニメ!アニメ!

「チェンソーマン」「ルックバック」作者・藤本タツキは何者? 読者が讃える “天才”の姿

アニメ!アニメ!編集部が話題のマンガをピックアップ! 今回は『ファイアパンチ』『チェンソーマン』で知られる藤本タツキの最新コミックス『ルックバック』(9月3日発売)です。

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「ルックバック」藤本タツキ著
  • 「ルックバック」藤本タツキ著
  • 『チェンソーマン』ティザービジュアル(C)藤本タツキ/集英社・MAPPA
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アニメ!アニメ!編集部が話題のマンガを読んでみた!
今回は『ファイアパンチ』『チェンソーマン』で知られる藤本タツキ先生の最新コミックス『ルックバック』(2021年9月3日発売)をピックアップ。本稿では、作品紹介に加え、藤本先生の魅力について語っていきたいと思います!

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■一夜で話題沸騰! マンガ家も語らずにはいられない「ルックバック」


『チェンソーマン』が2020年12月に最終回を迎えてから、ファン待望となる最新作『ルックバック』。学年新聞でマンガを描いている小学生・藤野と、不登校児・京本という女子2人を描いた物語です。
「絵がうまい」と称賛され、自信に満ちていた藤野ですが、同じく学年新聞で連載する京本の“画力の高さ”に対抗心を抱きます。しかし、当の京本は藤野のマンガに憧れており、「サインください!」とお願いするほど熱狂的なファンだったのです……と、ここまで書きましたが、この記事に辿り着いた方はすでにご存じの方も多いと思います。

『ルックバック』は2021年7月19日に「少年ジャンプ+」で公開されるや否や、Twitterでトレンド入りするなど話題沸騰となりました。読み切りにもかかわらず、全143ページという長さ、そして実際に起こった事件を彷彿させるセンシティブな内容が読者に衝撃を与えました。

筆者が驚いたのは、「全人類が読んでしまったのかな?」と感じるほど、Twitterに『ルックバック』の感想や読んだ“匂わせ”が漂っていたことです。「藤本タツキ最高!」「タツキ先生は天才なんだなって」「素晴らしいしか言えないです」などコメントが溢れ返っていました。

こんなにファンが増えていたのか、というよりも同業者のマンガ家たちが「黙ってはいられない!」という勢いで感想を流していたことが驚きでした。浅野いにお先生(『おやすみプンプン』)、森田まさのり先生(『ろくでなしBLUES』)、大童澄瞳先生(『『映像研には手を出すな!』)、末次由紀先生(『ちはやふる』)などジャンル、出版社を越えたさまざまな作家、ベテラン作家陣まで。「面白かった」「素晴らしい」と同時に、同じ土俵に立つ表現者として「嫉妬」や「焦燥感」「絶望」を感じた方も見受けられました。

すでに多くの名作が存在し、昨今のSNSなどの普及によりマンガが飽和状態にある世の中で、大勢の読者に“衝撃を与えるほどの真新しさ・面白さ”を与えるのは、もはや至難の業にあると感じます。そんな中で、マンガフリークであろうマンガ家たちの心と口を突き動かしてしまった彼の作品の威力ときたら。ファンが“天才”と謳いたくなるのも納得です。藤本先生は、自身の作品について「ひと通り漫画読んで飽きた人が読んでいる気がします」と語っています。
それにしても、今まで読み切りマンガについてリアルタイムで、さらにマンガ家たちが一堂に会したように話題にすることってあったんでしょうか? ご本人がエゴサでもしたら、思わずニタニタしちゃったのではないでしょうか。

『ルックバック』は先ほど少し触れたように、実際の事件をモチーフにしているのでは?との考察があります。作品を称賛する声が挙がる一方、「不適切な表現がある」との指摘もあり、一部シーンが修正されました。評判になると同時に読者の声が大きく広がるようになり、「作品の表現」を変えることとなった一連の動向もまた、波紋を呼んでいます。さらに、コミックス版でもまたセリフ表現の変更箇所があるとのこと。「ジャンプ+」で散々読んだにもかかわらず、これではコミックスも買うしかありません……。

話題が絶えない本作ですが、もし人に勧めるならばあえて何も言わずに差し出したいです。ただただ“マンガ”というものをシンプルに味わってほしい。「マンガが好きなんだな」と思わせる、1コマ1コマの秀逸な機微が心地よい作品だと思います。

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■作者のTwitterは虚構の妹――“ながやまこはる”



作者の藤本先生のTwitterを検索すると、「ながやまこはる」という小学3年生と語るアカウントが出てきます。藤本タツキの妹、という設定らしいです。担当編集に見つかった際、「ヤバいファンがいる」と思われたエピソードは、ファンの間では語り草になっていることでしょう。
「宮崎吾郎作品で一番好きなのは山賊の娘ローニャの16話です。良いのでオススメです。」という独特な構文、「今日はセブンティーンアイスの日なので、セブンティーンアイスを食べました。おいしかったのでオススメです。」と、どこか謎めいた情報がまたファンを生み、ファンを狂わせていきます。
海外の方からのリプライも見受けられ、彼らのマンガ愛やリサーチ力が気になるところです。


マンガ作品執筆以外の活動も多く見受けられます。藤本先生が敬愛する『無限の住人』作者・沙村広明先生との対談や、「ジャンプフェスタ2021 ONLINE」「MAPPA STAGE 2021 -10th Anniversary-」などイベントのインタビュー出演もしています。
「MAPPA STAGE 2021」のQ&Aコーナーでは、「なぜマンガ家になろうと思ったのですか?」という質問に対し、「モノづくりの仕事をしたいというか、普通のしごとはできないと思った」「家族が『タツキはニートになるから将来面倒見ないといけない』と家族会議を開いていた」と、明かしていました。


さらに月刊アフタヌーン連載『青野くんに触りたいから死にたい』や、映画『サイコ・ゴアマン』など他作品へのイラスト寄稿でも注目を集めている印象。
最近では、「少年ジャンプ+」のマンガ家発掘オーディション番組「MILLION TAG(ミリオンタッグ)」にも登場。「キャラが壊れてもいいから面白い展開にする」「ヒロインが天変地異みたいな女性であってほしかった」など候補者や作品に対し、藤本節の効いたコメントを残しています。


また、藤本先生のアシスタント経験者は、TVアニメ化が決定している『地獄楽』の賀来ゆうじ先生や、「少年ジャンプ+」で毎話100万PVを叩き出し、かつ有吉弘行さんも絶賛する『ダンダダン』の龍幸伸先生ら。『ダンダダン』の連載開始時には、賀来先生とともに応援イラストを寄せていたり、お互いの作品を言及しあったりなど深い交流関係を感じます。集まっていた際はどんなマンガトークを繰り広げていたのか、少し聞いてみたいですね。


■過去の短編集も発売! アニメ「チェンソーマン」放送も待ちきれない!


『ルックバック』の発売を皮切りに、過去の読み切り作品を収録した短編集が3か月連続刊行。『庭には二羽ニワトリがいた。』『シカク』『予言のナユタ』『恋は盲目』などが収録される模様です。『予言のナユタ』はYou Tubeの「ジャンプチャンネル」にて声優・小松未可子さん、内田雄馬さんのボイスコミックが公開されているので、そちらもオススメです。


筆者のお気に入りは、藤本先生が17歳のときに描いて漫画賞最終候補になり、マンガ家人生の契機となった作品であろう『庭には二羽ニワトリがいた。』。宇宙人との戦争が起こり、地球が侵略されてしまった世界を描いた物語です。藤本先生は「面白くないんじゃないでしょうか」と辛辣なコメントを特別コメンタリーにて寄せていましたが、荒削りながらもストーリーテラーぶりが伺える本作で虜にされたファンも多いのではないかと思います。


そして、『チェンソーマン』第二部や、アニメ制作も進行中。公開されたアニメティザーPVでは、期待を上回る映像にファンも歓喜。アニメ制作・MAPPA、音楽・牛尾憲輔さんなど作品の魅力を最大限に引き出してくれるであろう布陣にますます期待が高まります。
アニメの続報や、藤本先生の次回作を、『ルックバック』を読みながら心して待ちましょう♪



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(C)藤本タツキ/集英社
《スーサイド・モモ》
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