波乱の2020年、私を笑わせてくれたのは“オリンピック”でした【編集部が選ぶ2020年1番○○だったアニメ】 | アニメ!アニメ!

波乱の2020年、私を笑わせてくれたのは“オリンピック”でした【編集部が選ぶ2020年1番○○だったアニメ】

決して“明るい1年”とは言い難い今年。
そんな2020年、私が最も笑って、明るい気分にさせてもらったのが、本来であれば「東京オリンピック」に合わせての放送となるはずだったショートコメディアニメ『別冊オリンピア・キュクロス』です。

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『別冊オリンピア・キュクロス』本ビジュアル(C)ヤマザキマリ・集英社/2020「別冊オリンピア・キュクロス」製作委員会
  • 『別冊オリンピア・キュクロス』本ビジュアル(C)ヤマザキマリ・集英社/2020「別冊オリンピア・キュクロス」製作委員会
  • 『別冊 オリンピア・キュクロス』ティザービジュアル(C)ヤマザキマリ・集英社/「別冊オリンピア・キュクロス」製作委員会
  • 『別冊オリンピア・キュクロス』キャスト(C)ヤマザキマリ・集英社/2020「別冊オリンピア・キュクロス」製作委員会
2020年ももう間もなく終了。

年明けから新型コロナウイルス感染症の影響により放送延期や、イベントの中止などアニメ業界にとっても波乱が起きた年でした。そんな中でも、かつて放送された名作の再放送なども行われ、新しい作品の魅力だけでなく、過去作品の魅力も再発見できたのでは…。

そこでアニメ!アニメ!では、2020年を振り返り「2020年1番○○なアニメ」をピックアップ! 編集部が選ぶイチオシの作品を連載形式で紹介していきます。

『別冊オリンピア・キュクロス』


2020年。
今年もいつもと変わらぬ日常を送り、そして夏には非日常なビッグイベント「東京オリンピック」が開催されるはずでした。

しかし年明け早々、新型コロナウイルス感染症が発生・世界規模に拡大し、「東京オリンピック」も延期。
それどころか、これまで当たり前だった日常的な活動をも自粛せざるを得ない状況に。

決して“明るい1年”とは言い難い今年。
そんな2020年、私が最も笑って、明るい気分にさせてもらったのが、本来であれば「東京オリンピック」に合わせての放送となるはずだったショートコメディアニメ『別冊オリンピア・キュクロス』です。

概要・ストーリー


本作は、大ヒットコミック『テルマエ・ロマエ』でお馴染みのヤマザキマリ先生が、集英社「グランドジャンプ」にて連載している『オリンピア・キュクロス』を原作とする“珍・TVアニメ化”作品。


古代ギリシャの青年デメトリオスは、絵や自然を愛する、心優しい壺絵師見習い。
しかし、“ムダに”高い運動能力を持っており、そこに目をつけたお金と名誉大好きながめつい村長は、デメトリオスにオリンピックに出るようしつこく言い寄ってきます。

古代のオリンピックはとても殺伐としており、競技中に死者が出ることも。生き残っても、負けた選手は馬鹿にされ石を投げられてしまう。
そんなものに出たくないデメトリオスが、甕(カメ)の中でひとり思い悩んでいると、突然雷が落ちてきて、遥かな時間と場所を飛び越えて1964年の東京へタイムスリップ。
そこで出会った巌谷教授と共に、勝っても負けても和気あいあいとスポーツを楽しむ、小学校の運動会に参加することとなり……。

『テルマエ・ロマエ』は、古代ローマの浴場設計師が現代日本にタイムスリップし、日本の風呂文化を学ぶ姿を描いたお風呂コメディでしたが……
ざっくり言うと、こちらはそのオリンピックバージョンです。

作品の見どころ


注)私は原作コミック『オリンピア・キュクロス』を読んだことがありません。
が、アニメ版のタイトルが『別冊オリンピア・キュクロス』であること、そして何より公式が「斬新かつ困惑の珍アニメ」と謳っていることから、原作コミックとアニメはかけ離れていると可能性があります。

本作を見て、まず目につくのはその異質なビジュアル面でしょう。
『テルマエ・ロマエ』では、古代ローマ人の主人公が日本人を「顔平たい族」と呼んでいましたが、『別冊オリンピア・キュクロス』は古代ギリシャ人・古代ギリシャパートをクレイアニメーション、日本人・日本パートを紙芝居アニメーション、という立体と平面で表現。

「クレイ+紙芝居」という類を見ないアニメ手法を土台に、小野大輔さん、片桐仁さん(ラーメンズ)、佐藤貴史さんら幅広いキャスト陣の演じる個性的なキャラクター達が、”古代ギリシャ”と“近代日本”の文化比較から哲学的なギャグまで、割りと(?)インテリジェントなネタで笑いを誘います。


テンポの良い掛け合いと唯一無二なユーモアで本編約3分30秒を駆け抜けた後は、EDソングシリーズ「歌って覚える古代ギリシャ」へ。
吟遊詩人ホニェーロスが、古代ローマをテーマにした新しい歌を毎週披露するのですが、「男のアレーテー」「君のペッソイ」などいずれの曲も文化を楽しく学べる(?)ので、普段OP・EDを飛ばす人も必聴です。

暗いニュースが多かった2020年。
「東京オリンピック」は延期となりましたが、私を今年1番笑わせてくれたのは「オリンピック」を題材にしたアニメ『別冊オリンピア・キュクロス』でした。
気分が落ち込みそうな時こそ、アニメでひと笑いして、少しでもリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。

(C)ヤマザキマリ・集英社/2020「別冊オリンピア・キュクロス」製作委員会
《小野瀬太一朗》
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