梶原岳人、「声優アワード」新人男優賞受賞までの苦悩と努力とは? 「ブラクロ」アスタと歩んだ3年間を振り返る【インタビュー】 | アニメ!アニメ!

梶原岳人、「声優アワード」新人男優賞受賞までの苦悩と努力とは? 「ブラクロ」アスタと歩んだ3年間を振り返る【インタビュー】

2020年「声優アワード」で新人男優賞に輝いた梶原岳人(25歳)。声優として活動しはじめて3年、順風満帆に見える彼だが、梶原は「壁にぶつかったこともありました」と言う。わずか3年にも見えて濃密な、梶原岳人の“声優道”をインタビュー。

インタビュー
注目記事
梶原岳人
  • 梶原岳人
  • 梶原岳人
  • 梶原岳人
  • 『ブラッククローバー』(C)田畠裕基/集英社・テレビ東京・ブラッククローバー製作委員会
  • 『炎炎ノ消防隊』(C)大久保篤・講談社/特殊消防隊動画広報課
その年にもっとも印象に残る声優や作品を称えるべく開催されている「声優アワード」。

その名誉ある賞の中で、2020年の「新人男優賞」に輝いた5名の中の一人である梶原岳人(25歳)は、その賞を獲得するには当然と言っていいほど、デビューした年から着々と“主演”を重ねている。

しかも初主演となったのは、おそらく世の男性たちが一度は憧れたであろう「週刊少年ジャンプ」作品の主人公。
声優デビューを果たした2017年に、TVアニメ『ブラッククローバー』のアスタ役に抜擢された。

その後、『お前はまだグンマを知らない』神月紀『炎炎ノ消防隊』の森羅日下部、そしてこの4月にスタートしたばかりの『シャドウバース』の竜ケ崎ヒイロなど、途切れることなく主演作を獲得し続けている。
声優として活動しはじめて3年、順風満帆に見える彼だが、梶原は「壁にぶつかったこともありました」と言う。

わずか3年にも見えて濃密な、梶原岳人の“声優道”を聞く。
[取材・文=米田果織]

■「モノマネから始まった」梶原岳人の声優道


「実は……モノマネから始まったんです(笑)」梶原が声優を目指したルーツを聞いていると、そんな言葉が飛び出した。

「小さい頃からバトルもののマンガが好きで、よく読んでいました。そこから興味を持ったマンガ原作のアニメを見るようになって、“自分もできるのでは?”と思って、実は……モノマネから始めたんです(笑)。

広告の後にも続きます
『ドラゴンボール』が好きだったので、孫悟空(CV:野沢雅子)のモノマネをよくしていました。やっているうちに、『キャラクターに声をあてるって面白い!』と思い始めて、声優という職業を知ったのがきっかけです」

さらに、海外での生活でも声優を目指すきっかけがあったという。

「親の転勤でシンガポールに住んでいた時期があったのですが、向こうでは日本のアニメがすごく流行っていて。その時に、これまで見ていたバトルものの作品以外に、ライトノベル原作のアニメなど色々なジャンルのアニメに触れました。
アニメのエンドロールクレジット(※)を気にし出したのも、その頃ですね」

※エンディングで出演者、スタッフ、制作に関わった企業、団体などの名前を表示するもの

梶原岳人
梶原はシンガポールの高校を卒業し、帰国してすぐに諏訪部順一や大原さやか、佐藤利奈ら人気声優が数多く所属する声優事務所「東京俳優生活協同組合(俳協)」の養成所に入所した。

マンガやアニメが好きなのであれば、マンガ家やイラストレーターという道もあったはずなのに、なぜ声優だったのだろうか?

「自分が作って発信していくことが好きで、イラストも描いたし、バンドも組んだし、曲も作りました。色々なことに手を出した中で、『自分が本当にやりたいことって何なんだろう?』と考えた時に、『アニメのキャラクターを演じたい!』が一番でしたね」

■「気持ちにフィジカルが追い付かない」梶原が初めて感じた、声優の“壁”


養成所を経て、2017年に見事俳協所属となった梶原。そしてその年、『ブラッククローバー』の主人公・アスタ役を演じることが決まった。

『ブラッククローバー』(C)田畠裕基/集英社・テレビ東京・ブラッククローバー製作委員会『ブラッククローバー』(C)田畠裕基/集英社・テレビ東京・ブラッククローバー製作委員会
当時のことを、梶原は「1話は目も当てられない…(苦笑)。本当に必死で、その時はがむしゃらで、自分ができることを全てぶつけたのですが、見返してみると『うわー!』って思わず頭かかえたりして(笑)。正直、見ていられなかったです」と振り返る。

「自分の頭の中では作れている演技が、いざ声に乗せようと思うとイメージとは違うんです。気持ちにフィジカルが追い付かない。上手く声が出ないんです。
おそらく、緊張で無駄に身体に力が入っていたのかもしれませんが、本番になればなるほど体が固まってきて、自分でもなかなかコントロールができなくて。落ち込みましたし、しばらく悩みましたね」

それでもがむしゃらに役と向き合い続けた梶原。「その時は精一杯すぎて、何が足りないのかがわからなかった」といい、ボイストレーニングに通ったり、ひたすら原作を読んで「アスタ」というキャラクターを掴もうとしたりと必死だった。

「お手本がないので、モノマネもできない。自分が初めて声をあてるキャラクターなので、『自分が一番アスタを理解する』ことから始めなければと思いました。キャラクターの側面を考えたり、シーンごとに感情を考えて読み取ったりと、より理解できるように原作を読み込みましたね」

そうしてアスタを演じるうちに、「“アスタを掴んだ”と感じる話数があった」と語る梶原。
それは、ダイヤモンド王国の八輝将・マルスとの戦いでの「仲間」がきっかけだった。

「物語の最初の方では、アスタが強くなるためのエピソードが描かれていました。それから回を重ねるごとに仲間ができて、一緒に過ごすうちに、アスタが仲間の大切さを知り、その仲間のために強くなろうとするんです。
そんな中で戦ったマルスは、“弱い奴は消えるべきだ”という考えの持ち主。そのマルスに、アスタが“そうじゃない”としっかりと感情を向けるシーンで、アスタと気持ちがシンクロしているような気がしました」

気持ちがシンクロしたのは、やはり梶原自身も「仲間に助けられることが多い」という経験があったからこそ。

「当時、右も左もわからなかった自分に、周りのキャストさん、スタッフさんが色々なことを教えてくれたので。ひとりで戦っているわけじゃないことを実感して、アスタの感情の変化を表現できるようになったと思います」と笑顔を見せた。


→次のページ:“全てを表現しない” とは? 再びぶつかった壁と、諏訪部順一の存在
《米田果織》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集