「異世界かるてっと2」芦名監督、目指したのは「アベンジャーズ」!ほとばしる原作愛 | アニメ!アニメ!

「異世界かるてっと2」芦名監督、目指したのは「アベンジャーズ」!ほとばしる原作愛

「オーバーロード」「この素晴らしい世界に祝福を!」「Re:ゼロから始める異世界生活」「幼女戦記」とずらりと並んだ人気シリーズの登場キャラが、ぷちキャラに姿を変えて一緒に学園生活を送るクロスオーバー作品「異世界かるてっと」の続編「異世界かるてっと2」が放送…

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豪華声優の贅沢づかい「異世界かるてっと2」芦名監督のほとばしる原作愛、目指したのは「アベンジャーズ」
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 「オーバーロード」「この素晴らしい世界に祝福を!」「Re:ゼロから始める異世界生活」「幼女戦記」とずらりと並んだ人気シリーズの登場キャラが、ぷちキャラに姿を変えて一緒に学園生活を送るクロスオーバー作品「異世界かるてっと」の続編「異世界かるてっと2」が放送中だ。新たに「盾の勇者の成り上がり」をゲストに加え、ますますパワーアップした「異世界かるてっと2」が目指すものは何なのか、芦名みのる監督に聞いた。

―「異世界かるてっと」が目指したのは何なのでしょうか?

 芦名 最初に「異世界かるてっと」(以下、いせかる)を作るとき、プロデューサーからは「元の4作品が分からなくても楽しめる物を作ってくれ」とオーダーがあったんです。要は各作品のキャラクターのスピンオフ作品ではなく単体としての作品。「アベンジャーズ」のように、色んな世界から来た色んな能力を持ったキャラクターが、なんかわちゃわちゃ楽しくやってる世界を作りたかったんですね。

―異なる世界観を持つ作品をまとめるには、まず各作品の設定やキャラクターを把握する必要があります。かなり大変だったのでは?

 芦名 原作シリーズだけで100冊を超えてますからね(笑)。「オーバーロード」(以下、オバロ)だけでアニメが3期あって、「幼女戦記」が1期と「Re:ゼロから始める異世界生活」(以下、リゼロ)が2クール、「この素晴らしい世界に祝福を!」(以下、このすば)が2期でしょ? TVアニメだけで8クール分あって、さらに劇場版もあるんですから大変ですよ(笑)。僕はリアルタイムで観ていて把握していた作品もありますけど、全部一から観なければいけない新人の進行スタッフはキツそうでした(笑)。


―世界観に溶け込ませるのが一番難しかった作品は?

 芦名 それは「幼女戦記」です。命のやりとりが激しい世界から来ているので、どこまでギャグに寄せていいのか悩みました。逆に「このすば」は、ギャグ強めの作品のキャラクターがギャグを期待される世界に来ているので、動かせやすいし主張も異様に強い。「オバロ」は敵対する相手をみんな殺しちゃうので「なぜ殺さないのか」という理由や裏付けを考えるのがとても大変でした(笑)。

―15分アニメで4作品のキャラクターを均等にしゃべらせるのはとても難しいと思います。どのように調整しているのでしょうか。

 芦名 最初に「この話ではこの陣営のこのキャラクターをメインに据え、誰をぶつける」といった、やらなきゃいけないテーマと絶対出すべきキャラクターというものを決めています。さらに「このキャラクターを出すと連鎖的に動きそうなキャラクター」の中から、まだ台詞が少ないキャラクターを配置していくんです。そこにあまりお互い関係なさそうなキャラクターを置いてみると、意外と喋ってくれるんですよ(笑)。こうしてキャラクターたちの物語ができていくんですが、書きあがると大体毎回30分アニメくらいの量になっているので15分の量になるまでガンガン削ってます(笑)。


―脚本があるなら30分アニメもいけるのでは(笑)

 芦名 うちのスタジオ小さいので作画チームが大変なことになってしまいます(笑)。

―それは残念です(笑)。

 芦名 それでも、音響費はそこらの30分アニメよりはかかっています。それぞれの作品で主力級のキャラを担当している声優さんが30人以上いるのでオールスターみたいな感じです(笑)。全員集まるとスタジオに入りきらないので、チーム分けして収録に臨むこともあります(笑)。当然「あの声優さん今日は二言しか収録してない」ということもあるんです。キャストさんが「いいんですか?」って聞いてきても「いいじゃんいいじゃん!」って。「いせかる」はお祭りなので制作費をケチらないようにしています。

 基本ターニャとアインズとカズマとスバルがいれば物語のボトムラインは進んでいくのですが、この世界に脇役として生まれてきたキャラクターはいないんです。例えばデミウルゴスがいたらこう言うだろうというシーンがあったら、たった一言でも絶対に入れています。このポリシーは声優さんにも伝えていますし、お祭り感を出すには必要なことだと考えています。


―お祭りに集う人の中には「よくわからないけど楽しそう」という方もいらっしゃると思います。

 芦名 「いせかる」は「元の原作をわかる人が観るとニヤリとするけど、わからなくても楽しめる」ように作ろうと決めていました。一番うれしかったのは「いせかる」を観て今まで観ていなかった他のタイトルに興味が沸いたという話ですね。例えば「リゼロ」が好きで「いせかる」を観て、「幼女戦記」が気になったので観てみたという感じのSNSへの書き込みが予想以上に多かった。

 今はクールごとに膨大な数のアニメが放送される時代なので、視聴者が全部の作品を観ることができるわけじゃありません。いやでも食わず嫌いな人が多くなってしまうんです。そんな状況の中で、「いせかる」が面白ければ他の作品も観てもらえるというのは、クロスオーバー作品がアニメにもたらす新しい可能性を見いだせたのかもしれないなあと考えたりします。
【早川清一朗】

(C)異世界かるてっと2/KADOKAWA
(C)Isekai Quartet2/KADOKAWA

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《AbemaTIMES》
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