そんな中でも、とっても真っ直ぐに、純粋に“面白い＆楽しい”を毎週与えてくれたのは、『かぐや様は告らせたい～天才たちの恋愛頭脳戦～』でした。
■“告らせたい”2人のラブコメディ
『かぐや様は告らせたい～天才たちの恋愛頭脳戦～』は「週刊ヤングジャンプ」にて連載中のマンガが原作。シリーズ累計発行部数は850万部を突破する人気で、TVアニメは2019年1月期に放送。同年9月には平野紫耀さん（King＆Prince）と橋本環奈さんらを迎えた実写版映画が公開され話題となりました。
物語は、将来を期待された秀才が集う秀知院学園が舞台。互いに惹かれながらもプライドが高く素直になれない生徒会の副会長・四宮かぐやと会長・白銀御行が、“如何に相手に告白させるか”ばかりを考え奮闘するさまが描かれる、ラブコメディです。
“好きになったほうが負け”……とよくいいますが、ブライドが高いかぐやと白銀にとっては「人生、何においても“負け”てはいけない！」ということで、知力の限りを尽くして、相手からの「告白」を引き出そうとします。その駆け引きが実に面白い（笑）。賢い頭を使って二手三手先を読み、読みすぎたがゆえに空回る……そのやり取りに思わず笑ってしまうのですが、どちらも一生懸命だからキャラクターには愛おしさも感じます。
そして、“告らせよう”とするストーリーの斬新さと同時に、「自分の好意は恥ずかしいからバレたくない…でも相手が自分をどう思っているのかは知りたい！」という、等身大の学生らしい本音には、筆者は身に覚えがあり、共感を感じざるを得ません。その“斬新さと共感”のバランスが絶妙！2人の応酬に笑いながらもキュンキュンさせられます。
■“面白い”を支える演技力に脱帽
コメディ作品では、役者さんの演技も大事な要素なのではないでしょうか。テンションの高低、言葉の抑揚、息継ぎの間……様々な技術が合わさって笑ってしまうのだと思います。
本作では、古賀葵さんが四宮かぐやの冷徹な側面から乙女モード全開の可愛らしい声色まで振り幅広く演じていますし、白銀御行役の古川慎さんは、クールな白銀の慌ただしい内面を表現する緩急の演技が本当に見事。
藤原千花役の小原好美さんは、終始一貫してカワイイ演技で物語の素晴らしいアクセントになってくれましたし、スイッチが入って暴走気味の石上優を鈴木崚汰さんがこれでもかとマシンガントークで演じるシーンには、こちらも息継ぎを忘れて惹き込まれてしまいました。
そしてぜひ注目してほしいのが、本作のナレーションを務める青山穣さんの妙技！ スポーツ実況のような分かりやすさと迸る熱量、そして恋愛の機微を説明するときの深く甘いボイスが物語をより一層盛り上げてくれます。ナレーションが独特で面白いアニメ作品はいくつかありますが、本作もぜひそのランナップのひとつとして楽しんでほしいです。
■音楽でも魅せる！主題歌やエンディング、BGMにも注目
また話題になったのは、本作のオープニング主題歌として“ラブソングの王様”鈴木雅之さんの楽曲「ラブ・ドラマティック feat. 伊原六花」が起用されたことでしょう。鈴木さんにとっては初のアニメソングで、本楽曲を携えて初のアニメイベント「MBSアニメヒストリア―平成―」にも出演されました。鈴木さんのファンキーかつソウルフルな歌声が癖になるコラボに注目です！
第3話で突然流れたエンディング映像、藤原千花（CV.小原好美）による「チカっとチカ千花っ」も大いにネットを沸かせました。カワイイ歌声と、キュートなダンス、一度聞いたら頭から離れない中毒性のある歌詞に、思わずイチコロになった人も多かったのでは？
さらにBGMにもぜひ耳をすませてほしいのです。かぐやと白銀が“いい感じ”になるシーンでは、東京でラブなストーリーが生まれてきそうな雰囲気が醸し出されていたり、思わず聞き返したくなるオマージュが散りばめられており、心掴まれること必至です。
■2期放送も決定！予習も兼ねて1期を見てみて
そして待望の第2期『かぐや様は告らせたい？～天才たちの恋愛頭脳戦～』が、2020年4月より放送されることが決定しました。第2期からは新キャラクターとして、正義感あふれる新生徒会長候補の伊井野ミコ（CV.富田美憂さん）、そんなミコを支える大仏こばち（CV.日高里菜さん）が登場します。
原作：赤坂アカさんは第2期決定に際し「第2期はキャラクターも増え、恋が天才をアホにするをキャッチフレーズに、天才ふたりのプライドをかけた特に意味のない戦いが無意味に過熱していきます。いつもアホらしく、ときどき真面目にお送りする頭脳戦？ラブコメディがまた動きます。いい言葉ですね第2期！私も楽しみにしています。皆様も一緒に楽しんで頂ければ幸いです」とコメントを寄せました。
1期の熱戦を上回る頭脳戦が繰り広げられるとは……これは期待大！ぜひ予習も兼ねてお正月休みに1期を見返してみては？
