「ガンダムvsハローキティ」夢のコラボアニメはどう生まれた?「絵柄も世界観も真っ向からぶつかり合わせて…」【インタビュー】 | アニメ!アニメ!

「ガンダムvsハローキティ」夢のコラボアニメはどう生まれた?「絵柄も世界観も真っ向からぶつかり合わせて…」【インタビュー】

日本を代表するキャラクターのコラボが実現した「ガンダムvsハローキティ プロジェクト」。コラボアニメを手掛けたメインスタッフ3人に制作秘話を聞いた。

インタビュー
(C)創通・サンライズ (C)'76, '19 SANRIO 著作(株)サンリオ
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日本を代表するキャラクターであるガンダムハローキティ。それぞれ40周年と45周年を迎え、2019年の3月28日に、両者が並び立つ驚愕のビジュアルと共に発表されたのが「ガンダムvsハローキティ 対決プロジェクト」だ。


うどんチェーン店丸亀製麺での各キャラクターファン同士の人気投票対決を皮切りに、謎解きイベント対決、LINEスタンプ対決、グッズ対決など様々な催しが行われているが、中でもアニメファンの注目を引いたのがプロジェクト特別PVだ。

コラボ発表日の3月29日に第1話「ハローガンダム」が、7月9日に第2話「めぐりあい」がYouTubeにて公開されており、2020年1月に完結編となる第3話の公開が予定されている。

第1話「ハローガンダム」



第2話「めぐりあい」



そこで今回は第3話の公開に先駆け、本シリーズを手がけたイム・ガヒ監督とサンライズIP事業本部第1企画制作部デピュティゼネラルマネージャー、第5スタジオプロデューサーの谷口理氏、サンリオライセンス事業本部デザイン部クリエイティブディレクターの山田周平氏にインタビューを行い、驚愕のコラボレーション映像の制作秘話を伺った。
[取材・構成=いしじまえいわ]

左から山田氏(サンリオ)、イム監督、谷口氏(サンライズ)
――コラボプロジェクトの中でも特に驚きをもって迎えられたプロジェクト特別PVですが、そもそもどうしてこのような映像作品を作ることになったのでしょう?

谷口:サンライズはアニメーション制作会社で、せっかくのコラボですから「アニメを作らないでどうする!?」という想いがまずありました。
また、こんな機会でもないとキティちゃんを描くことはできませんし、サンリオさんも僕らもお互いに引き出しを増やすことができるんじゃないかという狙いもありました。
僕の勝手な思い込みでないといいのですが……。

山田:いえいえ、仰る通りです! サンリオはコラボの際にグッズを作ることが多く、今回も商品のデザイン周りを主に担当させていただいているのですが、まさかこんな本気のアニメになるとは思っていませんでした。

コラボキャラクター定番のデフォルメ体型ではなく、サンライズさんによる本物のガンダムですからね。1話目の絵コンテを見てびっくりしましたし、その分グッズデザインにも気合が入りました。

【LOVELESS ×「ガンダムvsハローキティ プロジェクト」 コラボ商品】
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――確かにコラボといえばデフォルメキャラクターでもよさそうですが、どうしてリアル頭身のガンダムやアムロを登場させたのでしょう?

イム:絵本のイラストタッチのようなテイストも検討しましたが、サンリオさんはすでに別コラボでそのようなテイストのアニメを作られていたので、せっかくなら誰もまだ見たことがない絵にチャレンジしようと。
また、今回コンセプトが”対決”であることは初期段階で決まっていたので、それなら絵柄も世界観も正面からぶつかり合った方が面白いだろうという判断もありました。

マジンガーZ×ハローキティ×超合金 オリジナルショートアニメ



――ストーリーもイム監督によるものなのでしょうか?

イム:はい。最初期にプロット案が2つありました。A案は世界の壁を越えて2つのキャラクターが出会ってしまうもので、B案はアムロとキティちゃんが入れ替わっちゃうというものでした。
実際に制作したのはA案で、こっちのほうが対決感を出せるのと、次回へのヒキも作りやすかったからです。特に次のアニメ公開まで期間が空いてしまうことがわかっていたため、「次も見たい!」と思っていただけるよう、続きが気になるように工夫しました。


――コラボアニメ本編中で、『機動戦士ガンダム』物語終盤のア・バオア・クー攻略戦という戦場の真っ只中にキティちゃんが現れます。キティちゃんの世界観的にサンリオさんサイドは問題なかったのでしょうか……?

山田:その点を判断するために、ガンダムのTVシリーズ全43話を学生時代ぶりに見返したんです。今また少しハマりつつあるのですが(笑)、当時は気付けなかったことや今だからこそ意義のある深いメッセージが織り込まれた作品であることを再確認しました。

とはいえ、ハローキティが武器を持ったりビームで敵を倒したりということはいかなる理由があってもできない。そこだけは私どもも譲れません。
ただ、イメージを守り過ぎてもせっかくのアニメがつまらないものになってしまいますから、その点を注意して慎重にすり合わせをさせてもらいました。


――確かにアムロは戦っていますが、キティちゃんは応戦はしていませんね。また、キティちゃんはアムロの戦闘行為を止めさせるために拘束するというようなこともしないんですね。

山田:ええ。あくまでキティは「対話での解決を目指す」というスタンスです。

イム:ただ、キティちゃんが一切反撃せずアクションを起こさないというのも画的な盛り上がりに欠けますから、キャラクター性は損なわないまま活躍できる展開を第3話には用意しています。

――それは楽しみですね! 世界観が違うガンダムとキティですが、デザイン面で工夫されたことはありますか?

イムトリコロールカラーという点はどちらも共通しているのですが、同じ画面に立った時の親和性を高めるため、色彩設定の安部なぎささんにガンダムの色味を調整してもらっています。
ガンダムの白い部分は本来少し緑がかっているのですが、キティちゃんに合うようにアレンジしていますし、黄色や赤、青も彩度を上げています。

本作用にアレンジされたガンダムとキティ

――逆にキティちゃんの方でアレンジしたことはありますか?

山田:「第1話で宇宙に行った後はガンダムの質感に合わせたい」とご要望いただいたので、サンライズさんがアレンジして描いたキティを私どもがチェックする、という流れで進行しました。

イム:アムロはこの時点では、キティちゃんのことを新しいモビルスーツか何かだと思っていて、中に人が乗っていると考えているんです。
だから質感もメタリックにさせていただきました。1話の最後にヒゲがキラーンと光ったりして「いいのかなあ?」と思ったりもしたのですが(笑)。

メタリックなハローキティ
イム:完全にメカにして駆動音を入れたりすることも考えたのですが、今回はキャラクター同士の対決ですので、あまりガンダムの世界観に寄せ過ぎず、キティちゃん本来の可愛らしさを活かすようにしました。
だからキティちゃんの効果音などはガンダムでは使わないものを積極的に使っています。

――逆に第1話の冒頭シーンはまさにハローキティの世界でしたが、あのパートではどんな難しさがありましたか?

谷口:線の太さや各パートの大きさや配置バランスが少しでも狂うとキティちゃんらしいプロポーションが崩れてしまいます。
ここはサンライズのスタッフも苦戦しましたし、山田さんのチェックをかなり受けましたね。

――ガンダムに対して、シンプルな造形で線も少ないキティちゃんのほうが動かしやすい、というわけではないんですね。

イム:逆ですね。ガンダムは機体の細かいディティール線が1本無くなってもキャラクター性はあまり変わりませんが、キティちゃんは線一本の太さや長さが少し違うだけでもかなり違和感を感じてしまいます。シンプルな方が難しいので、個人的にはキティちゃんを描くのが怖かったくらいです。
実際、山田さんには原画だけでなく動画も全て見ていただき、何百枚も描いて修正していただきました。

――言葉で伝えるのみならず、実際に描かれて修正されていたんですね。山田さんは特にどういったところに修正を入れられたのですか?

山田:商品用のビジュアルなど静止画であれば、一枚絵としてのバランスが整っていればよくて、正面・側面など角度によって微調整できる。いわば“嘘をつける”んですね。
一方でアニメなど動いた途端に、輪郭のラインや影の変化などで嘘がすぐにバレてしまう。

どの瞬間でもハローキティのキャラクターを損ねないよう維持しなければならない。嘘がつけないのがアニメ特有の難しさだと感じました。
そして、そういったひとつひとつの難しさを口だけで指示していてもうまく伝わらないんです。

――だから実際に手を動かして、描いて伝えたわけですね。

山田:はい。私にとっても勉強になりました。

サンライズスタッフ&山田氏による渾身のキティ作画
谷口:山田さんにはかなりご無理を言って参加してもらいました。引き受けていただけたことで現場がグッと盛り上がりましたし、チームワークも上手くいきました。
そのコラボ感が映像にも出ているんじゃないかと思います。

山田:第1話のときは修正のやり取りも多かったですが、サンライズのスタッフさんがどんどんハローキティらしさを習得してくださり、モチベーションが上がっていくのも感じられました。第3話ではほぼ修正が必要なかったぐらいでした。

谷口:「サンライズがキティちゃんを可愛く描けるのか?」については最後まで恐怖がありましたね。

イム:ありましたね……。

谷口:第1話のラッシュチェックに娘を連れて行ったんですが、キティちゃんが画面に出た瞬間に「かわいい!」と言ってくれて、個人的にすごくホッとしました(笑)。

イム:その場にいたスタッフ一同、子どもに認められて「よかった…!」って(笑)。


――それでは最後に、来年公開の完結編である第3話について少しだけ教えて下さい。

イム:先ほどお話ししましたが、キティちゃんが第3話でどう活躍してどうやってみんなを仲良しにするのか、公開を楽しみにお待ちください!

谷口:長期間に渡るコラボPVということで、実は様々な制作会社やスタッフが携わり、作画や仕上げ、音響などの面でも手の込んだことをしている作品です。ぜひ一度、改めてハイクオリティなアニメとして楽しんでいただけたらと思います。

山田:これまでのハローキティのコラボPVは1話完結のものが多かったのですが、今回は3話連続ということでキャラクターの魅力や作品ごとのメッセージを込められたように思います。
第3話ご視聴の前に第1話と第2話を見直していただき、第3話を見た後にもまた最初から見直して楽しんでいただけたら幸いです。

◆ ◆ ◆

なお、シリーズ完結編となる第3話は、2020年1月公開予定。ガンダムファンにとっては思わずニヤリとしてしまうオマージュも満載ということで、アニメ!アニメ!では第3話の制作秘話に迫ったインタビュー記事も掲載予定。こちらも楽しみにしていただきたい。

ガンダムとハローキティのガンプラセットがあたるリツイートキャンペーン



・応募期間:2019年12月14日(土)~2020年1月15日(水)
・当選内容:ガンダムとハローキティのガンプラセット(2020年2月発売予定にして5名様
・応募方法:ガンダムvsハローキティ 公式Twitterをフォローして、指定のツイートをRT
当選者の方への商品の発送は2月以降を予定、当選発表は1月22日(水)を予定。

キャンペーンURL
https://www.sanrio.co.jp/news/kt-gundam-news-20191216/

TwitterURL
https://twitter.com/gundamvskitty


(C)創通・サンライズ (C)'76, '19 SANRIO 著作(株)サンリオ
《いしじまえいわ》
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